【漢方】漢方における「不妊」の考え方と効果は?
漢方薬は、自然の生薬を組み合わせて1人1人のからだにあったものをつくり、処方されます。
効き目はゆっくりというイメージがありますが、個々の症状と状態に合わせたものを服用することで早い段階から効果が出るもの、即効性の高いものもあります。ただ、不妊に効果があると一言でいっても、その状態は人それぞれです。漢方医で処方してもらう場合には、しっかりと自分の状態を知っておくことも大切です。
心配や不安、疑問は持ち帰らない
不妊治療を進めていく中で、「今日の検査って何のため?」「今、飲んでる薬って?」と心配に思うことがあるかもしれません。
心配なまま治療が進んでいくと、それが不安や不信へ、そしてストレスへ繋がっていくこともあります。
これを防ぐには主治医と、十分なコミュニケーションを取ることが大切です。治療に関することは医師から直接説明を受けること、それに対して理解して、
納得していることが治療を進めるが基本です。
しかし、実際に診察室へ入ると、様々な理由から質問することをためらってしまう人も少なくありません。
また、医療説明が不十分だと感じた場合や、診察後に、まだ理解ができていなかったり、心配に思うことは、看護師や受付スタッフなどに伝えましょう。
再度、医師から説明してくれることもあれば、看護師やコーディネーターが代わって説明してくれることもあるでしょう。とにかく不安や心配、疑問は持ち越さずに治療を進めることが重要です。
また、パートナーが一緒に通院できる日は、できるだけ一緒に行き、一緒に診察室に入りましょう。
そうすることで、誤解がない、心配や不安の少ない治療にすることができ、それがストレス軽減につながるでしょう。
治療に漢方を取り入れている病院も少なくありません。なかには漢方外来があったり、主治医が漢方に詳しかったりする病院もあります。
漢方をサプリメントのように考えている人もいますが、れっきとした薬なので個々の判断ではなく、きちんと処方してもらって服用を開始しましょう。
漢方の取り扱いについては、病院検索からお住いの都道府県をクリックし、に●のついている治療施設からピックアップしてみましょう。
妊娠しにくい、させにくい体質を改善するために
漢方における「不妊」の考え方は、女性なら「妊娠しにくい体質になった」、男性なら「妊娠させにくい体質になった」というところに注目したものです。
女性は妊娠できるように生まれ育ち、男性は妊娠させることができるように生まれ育ちます。しかし、その機能が何らかの原因により「妊娠しにくい(させにくい)体質」になったために妊娠できていないのであれば、この「妊娠しにくい(させにくい)体質」を改善しましょうという考え方です。
体質を改善しようとする目的で服用するので、その体質になってしまってからの期間が長ければ、漢方を服用する期間も長くなるかもしれません。効果は、約3カ月を目安に徐々にゆっくりとあらわれはじめると一般的にいわれています。
漢方を試したい時には
現在、病院やクリニックなどで処方される漢方薬は、製薬会社でつくられたものが殆どですが、漢方医の処方と比べ効果がないというわけではありません。クリニックによっては漢方外来や漢方医を紹介するところもありますので、漢方を希望する場合は一度確かめてみましょう。
また漢方医で処方されているものについては、主治医にもきちんと見てもらいましょう。
個人的に漢方医に通っている場合は、「主治医と漢方の先生が違うことを言っていて、どちらを信用すればいいのか困っています」という相談が時々寄せられます。主治医、漢方医にそれぞれ違う意見があり、それぞれに納得のいく話があると、何がなんだかわからなくなってしまい、頭が混乱してくることがあるかもしれません。漢方は薬です。ですから、主治医には飲んでいる漢方をきちんと知らせることが治療を円滑に進めることへつながります。また漢方医には、現在の状態や治療内容、処方されている薬などを正確に伝えることが、自分のからだにあった漢方をみつけることへつながります。そして、その上で主治医と漢方医に「私は、体外受精(人工授精)で妊娠し、出産していこうと考えています。よろしくご協力下さい」という姿勢でいることも大切です。妊娠、出産をして赤ちゃんを授かるという目的に向かって、主治医と漢方医のそれぞれから協力を得るために、三者が連携しあっていけるよう自分で情報を伝えることも大切です。