婦人科検診の受け入れ
病院選び
生活の欧米化にともなって急増する婦人科系のガン早期発見、早期治療を目的とした検診が大切です。
生涯を豊かに暮らすため1年に1度は検診をしましょう。
自分のからだを大切にすることは、家族の幸せに
婦人科系の病気は、「生理以外の出血」「生理の量が多い」「生理痛がきつい」などの生理に関したもの、「おりものの色がおかしい」「おりものが臭う」などのおりものに関したものや「性交痛がある」など性生活に関したものや、そこからのサインで発見されることも多くあります。
しかし何も症状がなく自分でも気がつかないうちに病気が進行している場合もあり、早期発見と早期治療を目的に婦人科検診があります。
一般的にも、自治体では決められた年齢以上の女性を対象に、無料または低料金で子宮がん、乳がんなどの検診を行なっていますから、年に一回は必ず受けましょう。
また、現在不妊治療を受けている施設で、婦人科検診の受け入れをしているかどうかも確認し、個人検診として受けられるのもよいでしょう。
婦人科検診で発見される病気をあげてみました。子宮ガン、卵巣ガン、子宮筋腫、子宮内膜症、どれも不妊の原因になります。不妊治療の必要、不必要に関わらず、健康のためにも1年に1度は検診を受けましょう。
子宮ガン
子宮にできる悪性腫瘍です。子宮の入り口にできる子宮頸ガンと子宮内膜にできる子宮体ガンの二種類に分けられます。発生率は子宮頸ガンの方が高く、子宮ガン全体の約80~90%を占めます。
卵巣ガン
卵巣にできるあらゆる腫瘍をまとめて卵巣腫瘍といい、良性、悪性を含め多くの種類があります。卵巣腫瘍の80%は良性で、残り20%が悪性(卵巣ガン)です。そのうち卵巣の表層細胞に発生するものが卵巣ガンの90%を占めます。卵巣ガンは、自覚症状が出にくく、「サイレンス キラー」とも言われます。婦人科検診では、卵巣ガンの検診は含まれませんので、エコー検査などで定期的に観察することが大切です。また、出産回数の少ない女性の発症率が高いとされています。
子宮筋腫
子宮は平滑筋と呼ばれる筋肉によって構成され、この筋肉にこぶのような腫瘍(良性)ができることがあります。
30歳以上の4人に1人は持っていると言われ、最近は20代にも増加しています。小さいものは小豆大から、大きいものではフットボール大のものまであります。こぶが一つのこと(単発性)もありますが、子宮の中にたくさんのこぶができることの方が一般的で、この場合には多発性子宮筋腫と診断されます。
子宮内膜症
本来子宮の内側にある子宮内膜という組織が、子宮筋層内、卵巣、骨盤腔などで増殖する病気です。発生部位により内性子宮内膜症(子宮腺筋症)と子宮外に発生する骨盤内子宮内膜症などの外性子宮内膜症に分けることができ、周囲の組織との癒着の原因ともなります。
検診の大切さ
婦人科の病気は、子宮や卵巣、乳房という妊娠や出産、育児には必要不可欠な臓器に多くあります。
婦人科検診を行なうということは、生殖器に問題がなく妊娠、出産できるのかどうかの診断へもつながります。現在不妊治療をしている人ばかりでなく、広く積極的にこの婦人科検診を行なうことには、新たな不妊患者を生まないための努力につながっているとも言えます。
ブライダルチェックに通じるところも、また性教育へつながることも含んだ大事な検診です。
「面倒くさい」「恥ずかしい」「治療を受けているから大丈夫」という理由を一歩進めて、より健康に楽しく生活するための検診と考えてはいかがでしょう。自治体で行なう婦人科検診の個人検診を積極的に受け入れ、丁寧に対応しているクリニックが病院選びの much better!!
患者の声
「どうして、私が?!」
先日、会社の婦人科検診で子宮筋腫が見つかりました。出血の量が多いかな?生理痛がきついかな~と思う程度で、他に自覚症状もなかったのでビックリでした。すぐに産婦人科へ受診、まだ出産経験がないので、子宮だけはどうしても残したい!その一念でした。
手術の結果、1kg近い筋腫がゴロゴロ出てきて、これで自覚症状がないなんて…と医師も驚いていました。落ち着いたら、妊娠に向けて主人と頑張るつもりです。
(和歌山県・38歳)
自分ひとりのからだじゃないって思うから
2歳と5歳の子どもがいます。2人とも体外受精をしてやっとの思い出授かった大事な子どもたちです。この子たちが生まれてから、毎年産婦人科検診を受けるようになりました。それまでは治療しているから心配はなかったし、特に気にしてもいませんでした。
でも今は、この子たちを育てて、成長を楽しむためには自分の健康も大事だと思っています。
家族がいるから、自分1人の人生じゃないなって感じます。
(石川県・36歳)