2人目不妊の通院配慮
病院選び
2人目への挑戦、母の思いと子どもとの関係。患者の配慮と施設の配慮。
子連れでも通院しやすい環境を
2人目、3人目を望まれて、子連れで不妊治療に通う方も多くなってきました。最近では、プレイルームや個室の待合室、診療時間の調整をするクリニックも増え、通院患者への配慮がうかがえます。
また、診察時にはスタッフが子どもを預かったり、抱いたりと快く引き受けてくれるところも増えてきました。
1人目、2人目の不妊原因に特徴的な差はありませんし、「子どもが欲しい」というその思いに違いはなくても、状況はかなり違います。
2人目の場合、通院を開始する前には事前に子連れ通院であることを話し、待合室や診察時のことを確認しておく必要があります。
診療に集中するためには、通院がしっかり「自分の時間」にできるように、通院先のサービスを利用するか、家族や近所に協力していただいたり公的サービスをうまく活用することも考えておきましょう。
さまざまな 2人目不妊理由
1人目から不妊治療を受けていた方★
1人目を妊娠するに至るまでの検査や治療内容、また妊娠時の治療周期の状況から不妊治療が再開されることになります。妊娠経過や出産に特にトラブルがなかったか、あった場合は、産院からの紹介状や経過内容のメモを作成する必要があります。また年齢も上がっていることから一通りの検査は必要になるでしょう。
1人目が自然妊娠だった方★
不妊原因を突き止めるための検査は一通り必要です。また妊娠経過や出産時のトラブルがあった場合は、産院から紹介状を書いてもらうとよいでしょう。
1人目は自然妊娠だったからと安心せずに、妊娠を希望しても半年~1年以内に妊娠しなければ早い段階で、ご主人の精液検査も含め早めに診療を受けましょう。
共通のポイント★
授乳の必要があり、まだ生理がこないという段階の治療開始は、1人目のお子さんの成長にも影響します。年齢のこともあり焦りも感じるでしょうが、今ある子の育児を最優先に考えましょう。
治療の開始は、『卒乳を終え、生理がある』ことが前提になります。しかし卒乳が完了して、かなりの月日が経っているにも関わらず生理がないというのは、ホルモンのバランスに問題があると考えられ、その場合は改善のためにも早めに受診をしましょう。
「1人目不妊」と「2人目不妊」
1人目不妊と2人目不妊、その差は1人子供がいるかいないかにあります。そしてこの差がとても大きいものです。また、これを『差』と捉えることから、より感情的な問題も起きてきます。
通院先で、子連れ通院の患者さんをみて「1人いるからいいじゃない」と思ったことのある方はたくさんいらっしゃるでしょう。そして子連れ通院の方は「子どもなんだから、なかなかジッとはしていられないのよ」と思ったことのある方もたくさんいらっしゃるでしょう。
実際、1人目と2人目の不妊に対する意識に違いはあり、なかなかお互いが相容れられないものがあるようです。
この意識格差を埋めるための1つとして「結婚したら子どもがいて当然」という意識改革が社会に必要かも知れませんが、やはり子供は社会の宝、みんなが子供を願う気持ちを否定するのも変な話。要は不妊症への理解。
患者さん同士が気楽に理解し合える環境を提供している施設が、病院選びには much better!!
患者の声
養育費と治療費と
1人目を顕微授精で儲けました。運良く1回目の顕微での凍結受精卵もあったので、そこからのチャレンジをしたのですが撃沈。それから2回採卵、3回胚移植、なのにまだ授かりません。来年は娘も幼稚園です。これからの養育費などを考えると治療費を1人目の時のようには使えません。
それでも2人目が欲しいと思い頑張っています。治療は治療で、今やらなくちゃと思うし、子育てだって同じ、どちらを優先させたらいいのでしょう。
(鳥取県・32歳)
肩身が狭いです
2歳の男の子がいます。言ってきかせても、長時間、我慢できるわけはなく、近くに子供を預けられる人もいないので一緒に通院しています。先日看護師さんに「他の患者様もいますので、もう少し静かにさせてください」と言われました。ごもっともだと思います。子供の声や姿が気に障る方もいらっしゃると思いますから。でも2人目が欲しい!通院にストレスが溜まり、これでは妊娠に結びつきませんよね…。
(奈良県・38歳)