使用薬剤の説明
病院選び
もう一度考えて! 薬の説明は、何のために必要なのでしょう。
自分のからだに入るもの、薬剤についてチェックしたい点は意外と多いのです
まずはカタカナ・横文字の多い薬剤名を間違えずに記憶しましょう。ここで一番大事なことは、『何故この薬を使うのか』ということです。
今現在の自分のからだがどうなっているのかを知り、そのことを理解することから、何を補うために、または何を改善するために医師が薬を処方しようとしているのかを理解することが大切です。
それから、特性、作用する場所(脳下垂体、卵巣など)、作用・副作用や飲み方と管理方法などを確認するとよいでしょう。
治療をするのは、長い人生の中の一時期です。しかしこの時期は女性にとって、夫婦にとっても大切な時期、人生を豊かに過ごすためにも薬については、メモをして、自分のからだにどれだけの薬が使われた、あるいは使われてきたのかを知っておくことも大切です。
主な使用薬剤の簡単説明
<排卵誘発のための薬>
排卵誘発剤の使用目的は大きく2つあります。排卵誘発剤の使用目的のうち、現在どちらの目的で使用しているのかを知っておきましょう。
(目的)
1.排卵する力が足りない場合にそれを補うため。
何らかの原因で卵が成長しない、または排卵が起こりにくい、もしくは起こらないという場合に、不足しているホルモンを補う目的で使用される。
2. 自然に排卵はされるが、受精のチャンスを増やし妊娠の確率を上げるため。
通常、左右どちらかの卵巣から一月にひとつが排卵されるが、誘発剤を使用することによって複数個の卵を排卵させ、受精のチャンスを増やし妊娠へ結びつける目的で使用される。
(主な使用薬剤)
卵を育てるために使用する薬剤
内服薬 : クロミッド、セキソビッドなど
注 射 : フェルティノーム、ヒュメゴンなど
■排卵を促す、または妊娠の継続のために使用する薬剤
注 射 : hCGなど
<着床と妊娠維持のための薬>
黄体ホルモンは、排卵後の卵胞から分泌され、受精卵の着床後の準備をする働きがあるため、妊娠の維持に必要なホルモンです。そのホルモンの分泌異常、または補う目的で使用されます。
内服薬 : デュファストン、ルトラール
注 射 : hCGなど
保険適用の範囲と適用外 (その1)
不妊治療とは、妊娠できない原因を探り、明らかにし、それに適応した治療をすることが基本です。
検査や過去の治療歴などで明らかになった原因から治療方法が決められていきますが、この治療過程で多くの薬が使われます。それには保険が適用されたり、されなかったりということが起きていますが、何故でしょう。
保険診療とは、医療保険の給付が認められている診療行為とされ、病気ごとに検査内容や使用できる薬、診療に対する医師への報酬額が決められています。
また医療保険制度(国民皆保険制度)は、もしものときの病気やけがの治療による経済的負担を軽減するため、負担能力に応じた保険料を出し合い、治療費に充てる相互扶助(助け合い)の精神をもとにした制度で、国内に住所のあるすべての人は、何らかの公的な医療保険(国民保険、社会保険など)に加入しなければなりません。
患者の声
副作用のことばかり気にしてたけど…
体外受精のためにロング法で排卵誘発をしています。毎日注射ばかりで、こんなに注射をうっても大丈夫なのかしら?副作用はでないのかしら?
と、その心配ばかりしていました。注射の時に看護師さんに副作用のことをちょっと聞いてみたのですが、
「卵を育てるために大事な注射なのよ。いい卵を育てて、かわいい赤ちゃん産もうね」
と言われハッとしました。何のために注射しているのか、一番大事なことを忘れていました。
(栃木県・29歳)
薬の説明書をファイリングしてみてビックリ
今まで処方していただいた薬の説明書を1つひとつファイリングしてみました。治療も4年目に入ると、半端じゃないんですよね。
1ページずつめくりながら改めて処方された薬を見て、自分のしてきた治療の歴史を振り返ることもできました。
本当にたくさんの薬を飲んだり、注射したりしてきました。その都度その都度飲む薬については理解していたつもりですが、からだに入れたこの薬の積み重ねを思うと少し怖くなりました。私って今後、大丈夫かしら?
(滋賀県・34歳)