患者への説明・その理解確認
病院選び
その日の診療はその日のうちに理解し、疑問や質問は次の診療で解決する心構えを持ちましょう。
自分のからだに育むこと、治療は自分のものと考えて最終的なことは夫婦で決めましょう
治療は、夫婦の「子どもが欲しい」という願いのために受けるものです。
これからの健康のためにも自分たちのからだと自分たちの子どものためにも、治療内容については細かい点まで理解しておくことが大切です。
そのためには主治医と十分なコミュニケーションを持つことが必要で、自分のからだに起こっていることの情報を正確に開示してもらいましょう。
一度説明を受けたことでも分からない点については、うやむやにせずに質問すること、また診療時にはメモをとるなどして家に帰った後でも夫婦が治療について話し合えるようにしておきましょう。
不妊治療は、やがては子育てにつながるもの。医師が敷いてくれるレールに乗るのではなく、治療のレールは自分たちで敷くという自覚と意識を持つことが重要です。最終的な決定権は、自分たち夫婦にあることを今一度確認しましょう。
インフォ-ムド・コンセント
「インフォームド」とは、「情報公開」のことで、主治医が自分の患者に対して、その患者が必要とする、あるいは知っておくべき情報、例えば検査結果、治療内容の方法や意味、メリットとデメリット、治療から得られるものの予想や治療費用などについて、十分で分かりやすい説明をすることです。また「コンセント」とは、「同意」のことで、患者は主治医から公開される情報について、「わかりました」と単純に同意するのではなく、「主治医から公開されたたくさんの情報の中から、自分にあったものを選択するための同意」です。
インフォ-ムド・チョイス
「十分な情報公開をした上での患者自身による選択」のことで、主治医は、治療の方法を1つに限定して説明するのではなく、考えられる可能な限りの何通りかの治療方法と、それぞれのメリットとデメリットなどを分かりやすく説明することが大前提になってきます。そして患者はその中から「自分たちの考え方、生活様式や方法などを十分に考慮した上で治療方法を選択していく」ことです。
インフォ-ムド・ディシジョン
「十分な情報公開をした上での患者自身による意思決定」のことで、医師は十分な情報を公開した上で、患者が自分自身の治療内容や方法について意思決定ができるように更にコミュニケーションをとることが不可欠になります。 またその意思決定、決断の権限を患者自身に与えるために、医師は分かりやすい、必要かつ十分な説明が重要です。
治療の責任は、医師だけでなく患者自身にもあります。これは、医師が責任逃れをするためではなく、十分な医療情報の公開の元に双方が治療について了解し、その上で何らかのトラブルがあったとしたら、そこには医療過誤が指摘されます。医師は情報を公開する分、中途半端な医療提供はできなくなります。いわゆる腕のよい、自信のある医師こそができることとも言えるでしょう。
患者の声
先生に言われるままの治療で…
人工授精5回、体外受精3回。「次はこうしましょう、こうやりましょう」という先生の言葉を信じて、今までずっとやってきました。…でも一向に妊娠しません。
どうして妊娠できないのでしょう。転院も考え始めたのですが、自分でもいろいろと考え直すと、今までの治療についても妊娠するということだけが重要で、方法については「わかりました。お願いします」と言っていただけだと思います。今度は、よく先生と話をしてみようと思います。それでだめなら、やはり転院ですよね。
(東京都・39歳)
自分でも「しつこいな」と思う
私はいろいろと細かく知りたくて、先生にあれこれと質問します。受診の時にもメモ帳を持っていくのですが、時々先生が「面倒くさいな~」という顔をします。
まだやっていない検査があって、そのことを先生に話すと「まだ大丈夫。焦らないで」と返されてしまいました。先生は、専門家だから大丈夫と思うのでしょうが、私には何故やらなくても大丈夫なのかが、とても気になっています。
(富山県・36歳)