子宮筋腫と妊活は関係ある?
公開日: 2025-10-03
子宮筋腫は妊活に影響を与えることがあります。
子宮筋腫は、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍で、30代から40代の女性に多く見られます。すべての筋腫が妊活に影響するわけではありませんが、筋腫のできた場所や大きさ、数によっては、妊娠を妨げたり、流産の原因になったりする可能性があります。
1. 妊活に影響する子宮筋腫の種類
子宮筋腫は、できる場所によって3つの種類に分けられます。妊活に特に影響が大きいのは、子宮の内側にできるタイプです。
(1) 筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)
場所: 子宮の壁(筋肉の中)にできます。
妊活への影響:
筋腫が大きくなると、子宮全体を圧迫し、子宮内膜の血流を悪くすることがあります。
これにより、受精卵が着床しにくくなったり、着床しても育ちにくくなったりする可能性があります。
(2) 漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)
場所: 子宮の外側にできます。
妊活への影響:
基本的に妊活への影響は少ないとされています。
ただし、非常に大きくなると、卵管や子宮を圧迫して、妊娠を妨げるケースもあります。
(3) 粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)
場所: 子宮の内側、子宮腔(しきゅうくう)の中にできます。
妊活への影響:
最も妊活に影響が大きいとされています。
受精卵が着床する場所である子宮内膜を直接圧迫するため、着床を妨げる原因になります。
着床できたとしても、流産のリスクが高まります。
2. 子宮筋腫が妊活に与える影響
子宮筋腫は、妊娠しにくくするだけでなく、妊娠後にも様々な影響を与える可能性があります。
不妊の原因:
筋腫が卵管を圧迫して、精子が卵子にたどり着くのを妨げる。
子宮内膜の血流が悪くなり、着床しにくくなる。
流産のリスク:
特に粘膜下筋腫は、着床を妨げたり、着床した受精卵の成長を邪魔したりすることで、流産のリスクを高めます。
早産・帝王切開のリスク:
筋腫が大きくなると、子宮の収縮に影響し、早産や帝王切開になる可能性が高まります。
出産時の出血量が増えることもあります。
3. 子宮筋腫の治療法
筋腫が妊活に影響していると診断された場合、治療を検討することになります。
治療の選択肢
経過観察:
筋腫が小さく、症状がない場合、定期的な検診で様子を見ます。
薬物療法:
ホルモン剤を使って筋腫を小さくする治療法です。
しかし、根本的な治療にはならないため、妊活中にはあまり使われません。
手術療法:
筋腫を根本的に取り除く治療法です。
開腹手術、腹腔鏡手術、子宮鏡手術などがあります。
子宮鏡手術は、子宮の内側にある粘膜下筋腫を取り除くのに適しており、体への負担が比較的少ない方法です。
治療を検討するタイミング
妊活を始めてもなかなか妊娠しない場合。
筋腫が大きく、生理痛や過多月経などの症状がひどい場合。
不妊治療を始める前に、筋腫を取り除く必要があると医師が判断した場合。
4. まとめ
子宮筋腫があっても、必ずしも妊活がうまくいかないわけではありません。
重要なのは、妊活を始める前に、婦人科で検診を受け、自分の子宮の状態を把握しておくことです。
筋腫の有無、場所、大きさを確認する。
医師と相談し、筋腫が妊活に影響するかどうかを判断してもらう。
必要であれば、治療を検討する。
子宮筋腫と診断されても、焦らず、医師と二人三脚で、自分たちに合った妊活計画を立てていきましょう。