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妊娠しやすい体づくり

妊娠のための体づくりの重要性

妊娠のためには妊娠しやすい体づくりがとても大切です。妊娠しにくい体温や栄養状態、細胞内のストレス数値などが続けば、やはり妊娠しにくい環境を作ってしまいます。

今回は、妊娠しやすい体づくりのための
・食生活
・ストレス対策
・運動
・体重管理
・体温
・嗜好品
の観点から、それぞれの問題点や改善点をお伝えしていきます。

また、これらの改善点がわかっていても、習慣を一度に変化させるのは難しいですよね?そんな時におすすめの方法やコツ、簡単レシピなども記事後半でご紹介します。

妊娠しやすい体づくりのために【食生活】

健康的な食生活は妊娠しやすい体づくりの中でも、最重要項目と言えます。人間の体には37兆個の細胞があり、骨などの特定の細胞以外のほとんどが、約6か月程度で入れ替わります。

そしてそれら細胞のすべてが自分たちが口にした食べ物からつくられているのです。

栄養バランスが摂れた食事が妊活には必要不可欠!三大栄養素である糖質、たんぱく質、脂質の割合に気を付けるのはもちろん、ビタミン、ミネラルはたんぱく質の合成を促進するため、意識的に摂りましょう。

ビタミンやミネラルは種類が多く、働きはさまざま。妊娠に必要といわれる葉酸もビタミンの一種で、妊娠前からの摂取するといいと言われています。

また、現代人の多くは、『カロリーが高く栄養価が少ない食事』を摂っている傾向があります。つまり、消化に大量のエネルギーが消耗されるにも関わらず、栄養不足に陥りやすいという事なのです。

栄養バランスの摂れた食事はもちろんですが、不要な成分や食べ物を控えることも、同じく重要となります。

参考:The Human Body Book: An Illustrated Guide to its Structure, Function, and Disorders.Richard Walker, Steve Parker DK, Mar 12, 2019 - Science - 288 pages

下記の記事では食事と栄養についてさらに詳しくお伝えしていますので、気になる方はチェックしてみてください。

妊娠しやすい体づくりには【ストレス】は天敵

妊娠しやすい体づくりにはストレス対策が大きなカギとなります。日本では「病は気から」などと言われることもありますが、ストレスと聞くと体には悪そうだけど、目に見えないものという印象がありませんか?

でも、実はストレスは目に見える形で物理的に私たちの体に影響を与えているのです。
特に、

・細胞の炎症
・ストレスホルモンによる、その他ホルモンや神経伝達物質の乱れ

などは、妊娠にも大きな影響があります。
細胞の炎症は生殖器にも関係しています。

また、ホルモンや神経伝達物質はそれぞれの作用に対して拮抗作用があるため、ひとつが崩れたり過剰に分泌されたり、逆に減少したりすると、連鎖的に全体が崩れてしまうのです。

妊娠しやすい体づくりをおこなう上ではストレスを感じたときにおこなうと良い方法は、

1 少し息の上がる程度の運動(ジョギングなど)
2 ストレッサーとなる添加物や刺激物の摂取を控える
3 質の良い睡眠を心がける
4 自然音などを聞いて脳内のα波を増やす
5 好みの香りを嗅ぐ

など。身近で始めやすいものも多いですね。
また、ストレスを解消するだけでなく、増やさないことも大切。ストレス解消に暴飲暴食や刺激物・アルコールの摂取などをおこなうと、神経が集中している矛先が逸れるため、一時的にストレスが軽減されたと感じるかもしれません。でも体に負担となる行為は逆に体内のストレッサーと炎症を高めてしまいます。

妊娠しやすい体づくりのためにストレス対策には、体にやさしい選択をしましょう。

参考文献:
1. ANALYSIS ON THE STRESS RELIEF OF COLLEGE STUDENTS BY PHYSICAL EXERCISE
2. Real-World Intake of Dietary Sugars Is Associated with Reduced Cortisol Reactivity Following an Acute Physiological Stressor
3. The prevalence and association of stress with sleep quality among medical students
4. The short-term effects of recorded ocean sound with and without alpha frequency binaural beats on tinnitus perception
5. Aromatherapy for the brain: Lavender's healing effect on epilepsy, depression, anxiety, migraine, and Alzheimer's disease: A review article

妊娠しやすい体づくりのための【運動】

運動は妊娠しやすい身体づくりのためにとても重要です。上記でご紹介したストレス対策のためにはもちろん、運動をすることで血液の循環が良くなるため、体内の炎症作用や成長ホルモンの分泌など促されます。

ヨガやストレッチなど、ゆっくりリラックスした運動はもちろん、太り気味の人ややせ型だけど筋肉がなくて脂肪が多い人などは有酸素運動や筋トレも有効です。

実は厚生労働省が推奨している、健康を保つために必要な運動量は以下の通り。

成人では、一日60分以上息の弾む運動と、週2~3日の筋トレが必要とされています。妊娠のための健康な身体づくりの参考にしてみてください。

出典:健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023

妊娠しやすい体づくり【体重管理】BMIチェックあり

体重の管理は妊活で気を付けるべき項目のひとつです。

こちらで簡単にBMIチェックができますので、ぜひ確認してみてください。

●自分のBMI値を確認してみよう!


※半角数字で入力してください。

厚生労働省ではBMIについて以下の早見表を公開しています。

出典:自分の標準体重とBMIを知ろう!

また、最も流産率が低いのがBMI22で、BMI18.5未満、25以上で流産率は高くなるといわれえています。肥満で問題なのは内臓脂肪。内臓脂肪が増えると卵子の成長や排卵、卵子の取り込みに障害がある可能性があるのです。

下記の記事ではBMIと妊娠の関係について、実際にドクターにお話を伺っています。ぜひ併せてご参照ください。

妊娠と体重は深く関係しています。 肥満も痩せすぎも要注意です。
【オーク住吉産婦人科 オーク梅田レディースクリニック オーク銀座レディースクリニック 船曳 美也子 先生】 | 不妊治療の先生に聞いてみた

妊娠しやすい【体温】と【冷え】対策

冷えは血流を悪くしてしまい、細胞へ充分な栄養を送る妨げとなるだけでなく、免疫を低下させてしまう可能性もあります。

1週間ほど体温を測定して、平熱を確認してみましょう。もし、体温が36℃を下回る場合あ、低体温かもしれません。

●体温を温めるために、
●身体を温める食事や飲み物
●運動
●質の良い睡眠
●入浴

などを意識するようにしましょう。 不妊治療専門情報誌「i-wish ママになりたい」vol.72では、妊娠しやすい身体づくりを特集しています。さまざまな冷え対策はもちろん、詳しい食事や栄養、運動や生活習慣などについてもご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

「i-wish ママになりたい 妊娠しやすいからだづくり2023」vol.72

妊娠のための【嗜好品】との付き合い方

タバコやお酒などの嗜好品は、妊娠しやすい体づくりにはおすすめではありません。タバコの煙に含まれるニコチンは、血管を収縮させて血流を低下させるため、結果的に卵巣への血流も悪くなってしまいます。卵巣を発育させるためのホルモンも届けられにくくなります。

また、男性においては厚生労働省が運営するe-ヘルスネットにて、

”男性においては、勃起障害のほか、精子の変形や運動性の低下・数の減少、不妊を引き起こす可能性が指摘されています。
そのほかにも免疫機能を低下させ、感染に対する抵抗力を低下させるため、インフルエンザや肺炎などの感染症にかかりやすく、重症化しやすいことが報告されています。”
引用:喫煙によるその他の健康影響 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

と伝えており、妊活中は控えるべきだと考えられます。

お酒は、妊娠前は“ほどほど”に飲んでも問題がないと言われています。ただし“ほどほど”がどのくらいの量なのか、実は具体的に示されていません。
一般的に500mlのビール缶(アルコール含有量20g)を肝臓が分解するのに約4時間程かかると言われています。習慣的に飲酒する男女は妊娠までに時間がかかる、または妊娠率が低下したという報告もあるため、妊娠しやすい体づくりのためには、少しずつでもセーブするのがベターです。

こちらも詳しくは「i-wish ママになりたい 妊娠しやすいからだづくり2023」vol.72で掲載しています。

妊娠しやすい身体づくりのための応援【レシピ】

妊娠応援レシピを3つご紹介します!体を温めととのえてくれる栄養士考案レシピ。ぜひご参考ください。

妊娠しやすい体づくりを習慣づける3つのコツ

ここまで妊娠しやすい体づくりの方法などをご紹介してきましたが、これらどれも継続する必要があります。短期的におこなっても体を改善することはできないのです・・・。

でも、これまでの生活習慣を急に変えるのは難しいですよね?そのため、ここでは妊娠しやすい体づくりを習慣化するためのポイントをお伝えします。

その①まずは週に4日間を目指す

カナダのビクトリア大学教授Navin Kaushal氏の論文によると、習慣行動は週に4回おこなうことで長期的に継続できることがわかっています。

一度に毎日続けようとしたり、できなかった日に落ち込みすぎたりせず、週3回はお休みしながら続けてみましょう。
出典:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25851609/

その②パートナーと一緒におこなう

やはり妊娠しやすい体づくりをスタートするなら、パートナーも一人ではなく“2人”で行うのが大切です。「相手も頑張っているから自分も頑張ろう」という励みにもなりますし、ストレス軽減にもつながります。ぜひパートナーと話し合いながら挑戦してみましょう。

その③サプリメントや補助食品を活用

妊娠しやすい体づくりには栄養素がとても大切とお伝えしましたが、習慣のお話をしたように毎日食事の管理を気を付けえるのはやはり大変です。もちろん、基本的に食事から栄養を摂るのがベストですが、難しい場合には栄養補助食品やサプリメントの活用も検討してみましょう。

不妊治療情報センターでも、近年検査する不妊治療専門施設が増えているビタミンDを取り入れた男女別のサプリメントを用意しています。気になる方はぜひチェックしてみてください。
妊活応援サプリメント

まとめ

妊娠しやすい体づくりにはさまざまなポイントがありましたがいかがでしたでしょうか?ぜひ参考にしてみてください。また、不妊治療情報センターでは不妊治療に関する多くの情報を掲載しています。こちらも併せてご参照ください。