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【不妊治療】病院・クリニックの選び方|3つのコツと18のポイント

高度生殖補助医療(体外受精・顕微授精)をおこなっている病院・クリニックは全国に約600ありますが、インターネットで検索すると大手のクリニックしか出てこない、自分の生活や方針にあった病院が見つからないということも多いようです。
今回は不妊治療の病院選びに迷っている方のために、選び方の③つのコツと18のポイントをご紹介します。

不妊治療病院【選び方】③つのコツ

下記の選び方を参考に、自分なりの優先順位をつけて病院選びを行うのがいいと思います。選び方の3つのコツを参考に、通院したいと思える病院やクリニックを選ぶ参考にしてみてください。

病院の【選び方】コツその①女性側の年齢が35歳以上か

不妊治療の成功の大きなカギとしては、卵子の老化があげられます。日本産科婦人科学会の妊娠率のグラフにもありますが、35歳を過ぎたあたりから下がり始め、40歳以上になるとさらに急激に下がります。ただし年齢が高いから妊娠できないというわけではありません。これから治療を始める方は、まずはご自身の卵巣年齢を測るAMH検査を行いご自分の卵巣年齢を把握し治療を始めましょう。

病院の【選び方】コツその②生理不順がある

生理不順の自覚症状がある場合には、婦人科の治療も併用している医院を選ぶのがベターな可能性もあります。不妊治療専門機関では、一般的な婦人科の治療がおこなえない場合もあるためです。自覚症状がある場合は、HPや電話などで婦人科の治療について確かめておくことでスムーズな病院選びにつながります。

病院の【選び方】コツその③仕事をしているのか?職場は理解がある職場か?

お仕事をされている方が多いと思いますが、なかなか通院するのが難しいとあきらめている方もいるとよく耳にします。最近は夜間診療をするクリニックも増えてきましたので、診察時間は必ず確認してください。専門施設の中には受け付けは19時までだが、受付していればその日に診察してくれる専門施設も少なくはありません。
HPに記載がないようでしたら、電話で確認することも必要です。
また、職場環境によっても通院しやすい通院しづらいがあります。
通院しづらい場合は早朝診療や夜間診療をしている専門施設を念頭に病院を選びの参考にして下さい。

不妊治療はまず病院選びから始まると言っても過言ではありません。自分とパートナーが納得して通えるような選び方を心がけることが大切です。

病院の選び方1. 通院の便利さ

不妊治療の場合、治療内容にもよりますが一ヶ月に3回以上の通院が平均的と言われています。
つまりほとんど毎週のように病院へ行く必要が出てくるため、通院しやすい病院を選ぶというのは病院選びでとても重要なポイントとなるのです。

病院の選び方2. 生殖専門医がいる不妊治療専門機関

不妊治療ができる病院は多くありますが、実は専門機関である場合とそうでない場合があることをご存じですか?産婦人科などではタイミング療法の指導や生理周期を正す指導などをおこなってくれることもあります。
ただし、本格的な不妊治療を行なう場合には専門的な知識を持つ生殖専門医がいるかどうかをあらかじめ調べておく方が安心です。

病院の選び方3.予定を組みやすいか(土日対応や時間など)

病院の選び方1でもお伝えした通り、不妊治療が始まるとだいたい一週間に一度は病院へ通うことになります。もしお仕事をされていたり、すでに上のお子さんがいて毎回平日に時間を作るのが難しいという場合もあるでしょう。そのため、開院時間や曜日など、自分がスケジュールを組みやすいかもあらかじめ確認しておきましょう。

病院の選び方4.男性不妊外来の有無

不妊の原因が男性もしくは両方にある場合、男性不妊にも対応している病院を選ぶ必要があります。2015年に公開されたグローバル調査によると、不妊の原因の20~30%が男性側に原因があるとされています。男性の不妊治療には泌尿器科も関係していますが、実は不妊治療専門機関や泌尿器科ならどこでも治療ができるわけではないのです。そのため男性不妊外来の有無も病院選びの大切なポイントとなります。
参考:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4424520/

病院の選び方5.治療実績を公開しているか

不妊治療は周りが成功しているからと言ってそれが自分にも当てはまるというわけではありません。でも、これは病院の選び方のポイントになります。ネットで病院を検索して上位で表示されているものが必ずしもいい成績を収めているというわけではなく、ネットに検索されやすいホームページを作っているという場合も残念ながらあるのです。ですから、病院選びではネット検索だけに惑わされないことも大切ですね。

不妊治療情報センターでは年に4回、不妊治療に関する情報と病院をご紹介する刊行誌を発行しています。医師へのインタビュー記事なども載せておりますので、ぜひ併せてご参照ください。
刊行誌についてはこちらのページをご覧ください。

病院の選び方6.病院の方針が合っているか

医師との相性は実際に対面してみなければわからない場合も多いですが、病院について調べて見ると雰囲気や方針などを知ることができますね。月に何度も病院に通うことになる不妊治療。精神的な負担軽減のためにも、医師や病院との相性を考慮する必要があるでしょう。

下記では不妊治療をおこなっている病院一覧と、それぞれの病院の詳細や「診察方針」などを記載しています。病院選びで迷っている方はぜひご活用ください。
病院・クリニック一覧ページ

病院の選び方7.安全対策が徹底されているか

当たり前のように聞こえるかもしれませんが、不妊治療では採血やその他の検査、卵子や精子、胚の管理、培養・移植などなど、バックヤードではとても多くのスタッフが関わり、そして多くの工程がおこなわれています。そのため、一般的な感染症対策だけでなく、不妊治療ならではの安全対策を明記している医院が安心ですね。

病院の選び方8.カウンセリグルームの有無

普段医師に質問しにくいと感じたり、費用面や助成金の話を詳しく聞きたかったり、不安が大きいという方はカウンセリングルームが整っている医院を探すのが良いでしょう。カウンセリングルームでは医師に聞けなかったことを質問したり、不安や不明な点を詳しく説明してもらえたりします。

また、下記ページでは都道府県別の助成金について詳しくまとめていますので、気になる方は併せてご参照ください。
都道府県別の助成金ページ

病院の選び方9.セミナー(勉強会)を開催しているか

不妊治療をこれから始めるという方向けに勉強会やセミナーなどを開催している医師や病院があります。こうしたセミナーであらかじめ学んでおくことで、通院がはじまってからもスムーズに治療を開始することができますし、医院の雰囲気や診療方針を知ることもできます。

ただ、コロナの影響でセミナーを中止している医院も多いため、セミナーについてはあらかじめ問い合わせて見るのがベター。また不妊治療の情報については下記「不妊治療バイブル(保存版)」でも詳しくまとめていますので、こちらもご参考ください。
不妊治療バイブル(保存版)

病院の選び方10.不育症に対応可能か

不育症とは、妊娠が確認できたものの、その後流産や死産を2回以上繰り返したことがあり、赤ちゃんが育ちにく妊娠ができない状態を言います。「子宮形態検査」「内分泌検査」「夫婦染色体検査」「抗リン脂質抗体」「血液凝固因子」などの検査が必要になるため、すべてに対応している医院を選ぶ必要があります。

下記の記事では不育症について詳しくまとめていますので、併せてご参照ください。
【不育症】妊娠はするのに、流産を繰り返してしまう。不育症とは?

病院の選び方11.培養室の設備や管理は適切か

高度な生殖医療において、培養室は最も重要な施設のひとつ。培養室の機材や温度管理、空気清浄管理、感染対策など、あらゆる面で最適を目指している必要があるのです。クリニックのホームページやセミナーでは培養室の管理体制などを知ることができます。もしホームページに書いていない場合には問い合わせや実際に初診で聞いておくのもいいでしょう。

i-wish ママになりたいでは培養士さんから直接お話を聞いた「培養室からこんにちは」というコーナーを設けています。培養室は不妊治療にいかに重要なのか、どんなことが行なわれているのか、培養室ごとの違いなど、病院選びのポイントとなる情報も織り込まれていますので、ぜひご参照ください。
刊行誌についてはこちらのページをご覧ください。

病院の選び方12.費用の説明は明確か

不妊治療は保険適応となったものが多いですが、そのための検査や先進医療は費用がかかりますし、中には高額なものや何度もやらなければいけないものもあります。医院や医師に勧められるままにすべてをおこなうのではなく、どれにいくらかかるのか、しっかりと説明してくれて信用できるクリニックを選びましょう。

病院の選び方13.漢方薬の扱いや食育を推奨しているか

これについては医師やクリニックの方針によって、考え方が大きく異なります。自分自身や家族が食育や漢方も併用しながら治療を受けたい場合には、HPなどをあらかじめしっかり確認しておきましょう。

i-wish ママになりたいvol.72 では、妊娠しやすい体作りについて特集していますので、気になる方は併せてご参照ください。
i-wish ママになりたいvol.72 妊娠しやすいからだづくり2023

病院の選び方14.先進医療に力を入れているか

不妊治療の多くは保険適応となりましたが、保険適応ではどうしても妊娠が難しいケースもあります。そんな時には保険適応外の最新の検査や治療など、保険適応の治療以外の選択肢も出てくるのです。保険適応でなかなか妊娠が成立しないという方、年齢が高めの方などは先進医療に力を入れている医院を探してみましょう。

i-wish ママになりたいvol.71では先進医療について特集でお送りしています。先進医療について、種類毎にそれぞれ詳しく説明していますので、ぜひご参考ください。
i-wish ママになりたいvol.71 不妊治療と先進医療

病院の選び方15.女性医師がいる

中にはどうしても女性の医師を希望される方もいます。また、医院では曜日事に勤務医が異なる場合もあります。そのため、どうしても女性医師が良いという方は、その医院に女性医師がいるかだけではなく、いつ勤務しているかなども確認するようにしましょう。

病院の選び方16.保険適応の治療を優先してくれるか

籍ほど先進医療についてお話しましたが、不妊治療をこれからスタートされるという方は、一般的には保険適応の治療を優先的に推奨されると考えられます。それでも難しい場合には先進医療を取り入れることになるのです。そのため、自分自身で不妊についての知識をつけていくことはもちろん、初めから保険適応以外の治療や検査をたくさん勧められたら、必ず自分が納得いくまで質問し、安心して通える病院を選ぶのが大切です。

病院の選び方17.子連れで受診できるか

不妊治療をおこなっている病院では子連れで受診できない場合も多いです。中にはつらい想いをされている患者さんが多く、そうした方の配慮だと考えられます。でも、2人目不妊で受診する場合など、子供を預けられない時には連れていくしかありませんよね。逆に自分自身、病院で子連れの患者さんと会いたくないと考える場合もあるでしょう。そのため、連れていく側も、気になる側も、子連れ受診ができる医院なのか調べておくのがベターです。

病院の選び方18.病院の口コミや評価に問題ないか

口コミや評価はあくまでも個人の意見なので、実際に自分がどう感じるかは別問題。クリニックや医師と合う合わないということも、人それぞれ違うでしょう。ただ、駐車場がない、治療や金額の説明がない、院内がキレイではないなど、物理的な口コミが見ておいても損はありません。これから通院することになるのですから、できる限りリサーチしておきましょう。

不妊治療情報センターでも病院詳細を掲載しています。気になるクリニックはワンクリックで公式ページも観覧できるようになっていますので、ぜひご活用ください。
病院・クリニック一覧ページ

参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/funin-01_00004.html