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タイムラプスインキュベーターとは

タイムラプスインキュベーターは、体内に近い環境で胚を培養しながら、一定時間ごとに内部に内蔵されたカメラで胚の発育が撮影確認できる培養器(インキュベーター)です。

従来のインキュベーターは、培養 1~5 日目の間にかけて 3~5 回ほど胚をインキュベーターから取り出して観察や撮影を行い、胚の発育を確認していました。

タイムラプスインキュベーターの培養は、胚をインキュベーター外に出す回数が減るため、培養環境の変化などから起こる胚へのストレスを少なくすることが考えられています。

「EmbryoScope+(Vitrolife株式会社)により撮影: 提供元 Markus Montag, ilabcomm GmbH,Sankt Augustin Germany」

タイムラプスインキュベーターを使用した培養とは?

胚はインキュベーターの外に出すことで、光の影響によるストレスや、温度変化によるストレス、気相の変化によるストレスなどを少なからず受けてしまいます。胚がストレスを受けると、その後の成長に悪い影響を及ぼすことが考えられるため、最低限の観察が心がけられています。

しかし、胚も1個1個個性があり、同じタイミングで受精の兆候が見えたり、同じスピードで発育するわけではありません。正常な受精のように見えても、その後の発育によって異常と判断されることもあります。従来の観察方法では判断しきれないことが、タイムラプスインキュベーターを利用し、胚発育の過程を時間とともに観察することで、より判断しやすくなりました。

また、インキュベーターの外に出さずに胚の観察ができるだけでなく、胚発育の全過程を数分おきに撮影するため、従来のインキュベーターで観察するよりもより多くの画像情報を蓄積できます。

タイムラプスインキュベーターに期待されること

1、継続的に画像を撮影するため、複数の画像から胚の評価ができます。
胚発育の全過程を10分毎に撮影するので、従来の方法で観察するよりもより多くの画像情報が蓄積でき、どの胚を移植するのか? または将来のために、どの胚を凍結するのか? の選択がしやすくなります。

2、AIによる画像分析支援ソフトウェアを搭載
胚の選択を支援するソフトウェアが付属しているものもあります。全世界で実施された何千周期もの胚の画像情報をAIが学び、それを基に開発されたソフトウェア(iDAScore™)が胚の妊娠可能性を点数評価します。これによってヒトによる移植胚や凍結胚の選択をサポートしてくれます。
従来の胚の評価は、胚培養士の目によって行われていたため、個人や施設によって評価のばらつきがありましたが、iDAScore™による評価によって改善できると考えられています。

『現在、タイムラプスは保険と併用可能な先進医療として認められています』