PICSIとは
PICSIとは
PICSIとはヒアルロン酸が含まれた培養液を用いて、調整された精子のなかから、成熟した精子を選別し、顕微授精に用いる技術です。ヒアルロン酸は皮膚や軟骨、眼球など、体内のさまざまな部位にも存在している自然なもので、受精に悪い影響を及ぼすことはありません。
成熟精子にはヒアルロン酸とくっつくことができるレセプターが発現します。運動性のある精子でも、ヒアルロン酸レセプターが弱いもの、レセプターがないもの(未成熟精子)があり、これらはDNAに傷がある可能性があります。そのため、PICSIを行うことで、、成熟精子を選べると考えられています。
密度勾配遠心法やスイムアップ法などで精子調整をしたあと、ヒアルロン酸含有培養液を使って、さらに精子を選別します。ヒアルロン酸と結合した精子は頭部が重くなり、またヒアルロン酸がべたべたするためディッシュの底にくっつきます。こうして、もぞもぞとしっぽだけ動いている状態の精子を探し、顕微授精に臨みます。
<適応>
・胚移植をしても流産を繰り返す
・精液所見で奇形精子(正常形態率4%以下)がある
顕微授精が成功しないのは、卵子の質だけでなく精子の質が原因のことももちろんあります。精子のDNAに傷があることに加えて、精液検査で問題があれば、早めに男性不妊を診れる泌尿器科や男性不妊外来を受診しましょう。特に、精索静脈瘤は注意が必要です。女性の年齢が若く、適応があれば手術を行い、術後に半年ほど精子が現れるのを待つこともありますが、年齢が高い場合はすぐPICSIを勧められることもあるようです。
<費用>
<期待できる効果>
胚の発育の向上、流産率の低下が期待できます。一般的に、女性の年齢が高くなるにつれて卵子の質が低下していきますが、PICSIを行うと、年齢は高くても流産率が下がるため、精子の質も重要視されています。







