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子宮内フローラ検査(子宮内細菌叢検査2)とは

子宮内フローラ検査(子宮内細菌叢検査2)とは

子宮内フローラ検査は、膣や子宮内に存在する様々な種類の細菌を検査するものです。かつては、子宮内は無菌と考えられていましたが、実際には細菌が存在していることがわかりました。多種多様な細菌がいて、まるで花畑に見えるので名前がついた腸内フローラになぞらえて、子宮内フローラといわれています。
子宮内の善玉菌が減ったり、細菌のバランスが崩れると、着床率や妊娠率が低下したり、流産や早産率が高くなったりする可能性があることから、善玉菌やラクトバチルス属乳酸菌(乳酸桿菌)の割合を検査します。
検査は、まず一般的には自然周期では高温期(黄体期)に、ホルモン補充周期ではプロゲステロンの投与後5~6日目に、綿棒やピペットなどで子宮内腔液や膣内擦過物を採取します。それを検査会社で調べ、善玉菌やラクトバチルス属乳酸菌のバランスを出します。月経のない期間であれば、いつでも検査できます。
ラクトバチルス属乳酸菌は、膣や子宮内で糖を分解して乳酸をつくり、膣内を酸性に保つことで悪玉菌(カンジダ菌や大腸菌など)の繁殖を抑えます。悪玉菌が多い場合は、膣や子宮内に炎症が起きている可能性があります。炎症により免疫細胞が活発になり、胚を異物として攻撃してしまうことがあります。
検査結果は、ラクトバチルス属乳酸菌が90%以上を正常、それ未満を問題ありとします。

<適応>

・良好胚を移植しても、反復して着床(妊娠成立)に至らない場合
・慢性子宮内膜炎が疑われる場合

慢性子宮内膜炎の原因菌や、早産・流産の原因菌を特定することができます。検査の結果をベースに、ラクトバチルス属乳酸菌の割合を増やしていく治療計画を立てます。
妊娠中の人、子宮内感染症の疑いがある人、すでに腟炎や骨盤炎症性疾患にかかっている人、凝血異常の人(抗凝固剤などを服用している場合も含む)、検査時に不正出血がある人は、検査を行えません。

<費用>

東京都をはじめ、費用の助成を行っている自治体もあります。詳しくはお住いの自治体にお尋ねください。

<期待できる効果>

抗菌薬による治療や、サプリメントの摂取、生活改善などによって子宮内フローラを改善することで、着床率や妊娠率の向上が期待できます。
細菌性膣炎の原因菌が検出された場合は、その治療のための抗菌薬や子宮内フローラを改善するための治療を行います。