子宮内膜受容能検査(ERA検査)とは
子宮内膜受容能検査(ERA検査)とは
子宮内膜受容能検査(ERA検査)は、子宮内膜を採取し、次世代シークエンサー(塩基配列を解読する装置)を用いて遺伝子を解析し、内膜組織が着床に適した状態であるか評価する検査です。
ホルモン補充周期で胚移植を行う時と、方法は同じです。まず子宮内膜を厚くするようホルモンの投与を行い、その後、プロゲステロンの投与開始から5日後に内膜を採取します。採取した細胞組織を解析して、内膜が「受容期」か「非受容期」かを評価します。
胚が着床する時期(排卵後4~7日ごろ)の子宮内膜は、着床の窓(Implantation Window)が開かれています。このタイミングで胚は透明帯を抜け出し、内膜へ着床します。体外受精においても、着床の窓は同じような時期に開きます。特に凍結融解胚移植では、着床の窓、移植胚のステージ、移植時期を合わせることが重要です。ERA検査は、これらのタイミングをより合わせやすくするために行われます。
非受容期(早すぎる/遅すぎる)の場合は、受容期までどれくらい差があるか評価します。このずれは、数日から数時間、前後していることがあります。検査では12時間まで特定することができるといわれています。
<適応>
・良好胚を複数回移植しても着床しなかった、または(生化学的)妊娠が成立しなかった場合
AMH値が低く、採卵数が極めて少ない場合や、卵巣機能不全で十分な採卵ができず、得られた胚の移植が極めて貴重な場合なども、ERA検査の結果にしたがって移植に臨むことが重要になります。
<費用>
<期待できる効果>
良好胚を複数回移植しても着床(または妊娠成立)しなかったカップルにおいて、着床率や妊娠率の向上が期待されます。ERA検査の結果にしたがって胚移植を行ったほうが、行わない場合より妊娠率が高くなるという臨床報告もあります。
ただ、妊娠が成立しない原因には、移植胚の質の問題もあるため、あわせてPGT-Aで胚の染色体異数性を調べることもあります。PGT-Aを先進医療として受けられる施設が限られるため、自由診療として受けることになる可能性も考えておきましょう。
ちなみに、ERA検査を行う検査会社で、子宮内の細菌叢を調べるEMMA検査(Endometrial Microbiome Metagenomic Analysis)と、ALICE検査(Analysis of Infectious Chronic Endometritis)を同時に依頼することがあります。これをTRIO(エンドメトリオ)検査といいます。







