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子宮内膜細菌叢検査とは

子宮内膜細菌叢検査とは

EMMA(子宮内マイクロバイオーム)検査は、子宮内の乳酸菌の種類と量を調べ、子宮の細菌環境が胚移植に適した環境かどうかを評価する検査です。ALICE(感染症慢性子宮炎)検査は、子宮内の細菌の中で特に慢性子宮内膜炎の原因となる細菌の検出をします。
慢性子宮内膜炎は不妊症の女性の約30%とされ、着床不全の要因となります。良好胚を複数回移植しても着床(妊娠成立)しない女性では、約60%と半数以上に及ぶともいわれています。
検査は、子宮内膜が厚くなる月経15~25日目ごろの黄体期(高温期)に、子宮内膜の一部を採取して行います。検査の結果が出るまでは約2~3週間かかります。検査の結果、ラクトバチルスが90%以上でない場合、乳酸菌の膣錠などで治療を行い、検出された慢性子宮内膜炎の病原菌に対しては、適切な抗生物質や乳酸菌での対処が勧められます。

<適応>

・良好胚を複数回移植しても着床(妊娠成立)しなかった場合

検査の結果によっては、着床(妊娠成立)にとって大切とされる善玉乳酸菌を増やしたり、慢性子宮内膜炎の原因菌が検出された場合は適切な抗生物質による治療(7~14日間の内服)を行います。
治療の終了後に再び胚移植周期を始めるか、再検査を行うかは、医師の判断(または相談)で決まります。

<費用>

東京都をはじめ、費用の助成を行っている自治体もあります。詳しくはお住いの自治体にお尋ねください。

<期待できる効果>

良好胚を複数回移植しても着床(妊娠成立)しなかったカップルにおいて、着床率や妊娠率の向上が期待されます。 胚の染色体が正常でも着床率は70%前後のため、着床するにはその他の要因も関わっているとされます。EMMA/ALICE検査の結果をふまえて、耐性菌の蔓延を予防したり、プロバイオティクス治療で子宮内環境を改善するなど、目的に照らした治療をすることができます。

ちなみに、ERA検査を行う検査会社で、子宮内の細菌叢を調べるEMMA検査(Endometrial Microbiome Metagenomic Analysis)と、ALICE検査(Analysis of Infectious Chronic Endometritis)を同時に依頼することがあります。これをTRIO(エンドメトリオ)検査といいます。