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【不妊治療費】体外受精にかかる費用は?

体外受精は保険が適用されないため、医療費は全額自己負担になります。 高額な医療費がかかるため、公的支援として特定治療支援事業があり、2021年1月から助成金が拡充されています。
また、政府は 2022年4月から不妊治療に公的医療保険を適用する方針を固め、現在は保険適用外の体外受精や顕微授精などを対象とする方向だと発表しています。
どのような内容になるか、またどこまでが保険適用になるかはまだわかりませんが、体外受精に保険が適用されれば医療費負担は大幅に下がります。
しかし、保険適用になる2022年4月まで、どのような内容になるかわからないのに、治療をストップして待つというわけにもいきません。
女性は、30代後半を過ぎたあたりから妊娠率は下がり、流産率が上がってきます(日本産科婦人科学会ARTデータ2018)。1年、1年がとても大切になってくるのです。
では、体外受精にいったいどのくらいの費用がかかり、どのように支払をしているのでしょう。

ART妊娠率・生産率・流産率 日本産科婦人科学会ARTデータ2018

体外受精の費用は、どれくらいかかる?

体外受精の1周期の費用は、排卵誘発方法の違いや薬の種類、量によって、また採卵できた卵子の数によっても違ってきます。
また、最近では凍結融解胚移植を行うことが多く、初回の体外受精治療周期も含めて、採卵手術を行った周期には胚を移植せず、いったん凍結をすることが増えています。 そのため、体外受精治療周期には、排卵誘発から始まり、採卵手術、受精、胚培養、新鮮胚移植という治療周期と、排卵誘発、採卵手術、受精、胚培養、胚凍結でいったん治療周期を終え、 翌周期以降に凍結した胚を融解して胚移植をする凍結融解胚移植周期があります。
一般的に、体外受精 - 新鮮胚移植の治療周期にかかる医療費は30万~50万円(顕微授精を含め)。未移植胚の胚凍結にかかる医療費が別途3万~5万円(凍結する胚の数が多いと加算がある病院もある)。 凍結融解胚移植にかかる医療費は10万~20万円。
これに、移植方法をSEET法にした、胚にアシステッドハッチングしたなどの場合には別途医療費がかかり、胚培養にタイムラプス型インキュベーターを利用した場合にも別途医療費がかかる治療施設もあります。
そのほか、凍結融解胚移植を行うにあたり、着床時期の検査、子宮内フローラの検査、慢性子宮内膜炎の検査、PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)、着床障害の検査などを行った場合の医療費も別途かかり、それぞれ治療が必要になればそれらの治療費がかかってきます。
体外受精は、保険診療ではなく自由診療のため治療施設によって医療費に違いがありますが、治療に関わるさまざまなオプションがつくことで医療費が高くなっていきます。

  • 体外受精に関わる参考費用

    体外受精 - 新鮮胚移植
    (排卵誘発、採卵手術、胚培養、胚移植、治療周期中の検査など)
    30万〜50万円
    未移植胚の凍結(凍結する胚の数が多いと加算がある病院もある) 3万〜5万円
    凍結融解胚移植 10万〜20万円
    SEET法 2万〜3万円
    タイムラプス型インキュベーター利用 2万〜3万円
    着床時期の検査+子宮内フローラの検査+慢性子宮内膜炎の検査 14万〜20万円
    PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)胚盤胞1個につき 5万〜10万円
    着床障害の検査 1.5万〜2.5万円
    体外受精特別アンケート2020/不妊治療情報センター

医療費の支払方法は?

最近では、カードやQRコード決済を導入する医療施設も増え、自由診療分の医療費についてはキャッシュレス決済ができるようになってきました。
カード決済の場合、一括払い、分割払い、リボルビング払いができるところがほとんどのようです。
1回の医療費の支払額が100万円以上になることはありませんが、治療周期全体でみたらトータル100万円近いということもあるかもしれません。
体外受精を受けている期間、それだけにお金がかかるわけではありません。普段の生活もあり、余暇を楽しむことも大切です。ある程度は節約を覚悟しなくてはならないかもしれませんが、 普段の生活にかかる費用に上乗せして必要になってくるので、治療周期を始める際には、医療費をどこから、どのように捻出するかの算段を立てることが大切です。

体外受精の治療周期中にかかる費用は?

はじめての体外受精は、何をどうするのかわからず、治療法をどのように選択すればいいか、右往左往することも少なくありません。
SEET法での胚移植や着床、子宮環境に関する検査、PGT-Aなどは、初回の体外受精で行うことはなく、また新鮮胚移植をすることも多いようです。
思ったよりも安く済んだかな?と思っても、妊娠が叶わなければ、また次の治療周期へと臨まなくてはなりません。治療周期が、また排卵誘発からとなると、 治療に関わるオプションなども含め医療費は想像以上にかかると考えていいでしょう。
というのも、体外受精に関わる費用は、医療費だけではないからです。
通院する際の交通費、飲食費や途中でお買い物をしたり、通院日の夕食は出来合いのお惣菜頼みになったりと、普段の生活よりもお金を使ってしまうこともあります。
節約することは大切ですが、治療には多大なストレスもかかります。
通院の帰りに美味しいパンケーキのお店で一息ついたり、かわいい雑貨に目を引かれたりと楽しむことにお金を使うことはいけないことではありません。
そのほかでは、病院ですすめられたり、自分たちでみつけたりしたサプリメントや漢方を利用することもあります。
サプリメントや漢方も安くはありませんし、またさまざまなサプリメントを併用することあるでしょう。
それから、鍼灸、整体などへ通ったり、レーザー治療などを受けたりする人もいます。そうした費用も、体外受精にかかる必要経費となります。

実際、体外受精を受けた人の年収は?

体外受精を受けているカップルは、共働きで世帯年収も多くて、カード払いも余裕なんだろうなと考えている人も少なくないでしょう。
では、実際に体外受精を受けている2組のカップルの年収、治療費、カード払いの様子を紹介しましょう。

体外受精は、初回で妊娠、出産ができればかかる医療費は50万円程度かもしれません。
しかし、一般的に妊娠率は胚移植あたり30%程度とされていますから、複数回の胚移植をする可能性が高いと考えられます。
また、年齢を重ねれば重ねるほど妊娠は難しくなる可能性があるため、なるべく早く妊娠にチャレンジし、出産を迎えて欲しいと思います。
しかし、実際にはいずれの治療施設も患者年齢が高年齢化し、都市部では患者平均年齢が40歳を超えている治療施設もあります。
年齢が高くなるほど、また治療が難しくなればなるほど、体外受精に関わる費用もかかりますが、こうした費用をどう捻出するかは、赤ちゃんを授かれるか否かに係る大きな問題です。
では、この費用をカップルが2人だけで捻出しているのか?といえば、預貯金を崩したり、ボーナスを見越したり、なかには両親から借りたり、生前贈与を受けたりと親からの支援があるケースもあります。
また、最近では銀行で不妊治療のローンを組んだり、クレジット会社でローンを組んで治療を続ける人もいます。

体外受精の費用の一部を取り戻そう!

体外受精にかかった費用の一部は、特定治療支援事業で助成を受けることができ、 また確定申告で医療費控除の対象になることもあります。

特定治療支援事業について

対象者 体外受精や顕微授精などの治療以外では妊娠の見込みがない夫婦、または妊娠の見込みが極めて低いと医師に診断された夫婦で治療期間の初日の妻の年齢が43歳未満である夫婦
助成内容 ①1回の助成上限額は30万円(*1)、通算6回まで(*2)
②男性不妊で精巣や精巣上体から精子を回収する手術を行った場合、30万円まで
原則、法律婚の夫婦が対象ですが、生まれてくる子どもの福祉に配慮しながら、事実婚の夫婦も対象となります。 これまで夫婦合算の所得制限がありましたが、所得制限はなくなりました。

*1 凍結融解胚移植や採卵手術をしたが卵子が採取できなかったなどで治療周期が中止した場合の1回の助成上限額です。
*2 赤ちゃん1人を授かるまでの通算回数です。ただし、40歳以上43歳未満で開始した治療の助成回数は、1子ごとに3回までです。

助成対象となる治療内容について

1回の助成上限額30万円が対象となる治療内容 ①新鮮胚移植の実施
②採卵手術・受精後、1~3周期程度の間隔をあけてからの凍結融解胚移植、または全胚凍結による1回目の凍結融解胚移植の実施
③移植のめどが立たず治療終了
④受精できない、または胚の分割停止や異常受精などによる治療中止
⑤精巣や精巣上体から精子を回収する手術の実施
1回の助成上限額10万円が対象となる治療内容 ①採卵手術を伴わない凍結融解胚移植の実施
②採卵手術をしたが卵子が得られないなどで治療中止
助成対象外の治療内容 ①卵胞が発育しない。または排卵済みで治療中止
②採卵手術前に体調不良などにより治療中止

また、居住する自治体独自に行う不妊治療費助成事業もあります。各自治体によって助成内容は違い、検査に関わる費用から助成対象になる自治体もあります。詳しいことは、各自治体の担当課や自治体の広報誌などで確認してみま しょう。
そのほかでは、確定申告で医療費控除の対象になるケースもあります。
医療費の領収書については、月ごとに整理をし、通院のための交通費(公共交通機関を利用)や他の医療機関での医療費、病気の治療のために薬局で購入した医薬品も対象になります。医療費控除の手続が簡略化され手続し易くなっていますので、家族全員分を保管し、確定申告をしましょう。

体外受精の医療費運用の工夫

体外受精には、多大なストレスがかかります。肉体的、精神的ストレスとともに、金銭的なストレスもあります。
また体外受精を諦める理由のなかにも、「年齢的なこと」と同様に「医療費が続かない」もあります。体外受精を続けていくためには、医療費をどう運用していくかも大切なことになります。
今後保険が適用されても、現在行っている全てが保険適用になるか?といえば、それは疑問です。また、日本では混合診療(保険診療と自由診療を併用すること)が認められていないため、保険が適用されない診療を希望した、または行った場合には自由診療となり、医療費は全額自己負担となります。
そのため、今後保険適用外となる診療があるかもしれないということも想定しながら、医療費の運用について考えてみましょう。
では、前に紹介をしたカップルAさんの場合を例に、スルガ銀行の不妊治療サポートローン担当者に運用方法の例としてお話を伺いました。

クレジットカード払いか? ローンか?

カップルAさんは、夫婦の年収が570万円。 家賃は年額144万円で、生活費等の年額が240万円と試算しています。月額にすると、家賃は12万円、生活費等は20万円になります。
これからかかる不妊治療の費用を 110 万円と見積もって、それぞれリボ払いにした場合と当社の不妊治療サポートローンで110万円を借りた場合とで比較をしていきましょう。

リボ払いの場合

まず、リボ払いのケースから見ていきましょう。
リボ払いの場合、一般的な手数料率は15.0%ですが、各月の利用残高に対して手数料がかかるため手数料は月ごとの利用残高で変わってきます。
手元に大きなお金がない人でも、無理なく支払うことができるのがリボ払いの良いところですが、リボ払いを続けることで利用額が増加したり、返済期間の長期化にもつながることもあるため、計画的な利用が大切です。
例えば、8月に凍結融解胚移植①を行い、その周期にかかった医療費20万円をリボ払いします。助成制度を申請することができますが、申請から入金までに約3カ月かかります。 その間、1周期休んで、10月に凍結融解胚移植②に挑戦し、これもリボ払いします。 この時点でリボ払いをした医療費は40万円になります。11月、1月になると、それぞれ凍結融解胚移植分として助成金が10万円入金されるので、 これをリボ払い分の一部繰上げ返済にあてることができます。この時点で、リボ払い残高40万円で、繰上げ返済20万円となり、リボ払いの残高は20万円になります。
次の治療周期は、2月に採卵手術を必要とする体外受精①を行った医療費が50万円で、これをリボ払いにすると、残高が70万円になります。 1周期あけた4月に3回目の凍結融解胚移植③を受け、この医療費20万円もリボ払いにすると、リボ払いの残高は90万円になります。 5月になると、体外受精1分の助成金として30万円が入金され、これを繰上げ返済にあてることで5月時点は60万円が残高となります。 この場合では、手数料率15.0%で月々16,000円の返済になります。当然、生活費も同様に捻出しなくてはならないので、家計は医療費に圧迫されることになるでしょう。

スルガ銀行不妊治療サポートローンの場合

では、スルガ銀行で不妊治療サポートローンを借りた場合はどうでしょう。
スルガ銀行の不妊治療サポートローンはカードローンタイプで、それぞれお客さまに合わせて限度額を設定されます。 必要な時に必要な金額をATMを使って引き出すことができ、引き出した金額が借入金額となります。
Aさんの場合は110万円を限度額として、それぞれ治療周期に合わせてATMから20万円、50万円と引き出して医療費を支払うことができます。
このように凍結融解胚移植①②、2月の体外受精、4月の凍結融解胚移植③の医療費を支払い、生活費と区別をすることができます。 また、助成金をローンの返済にあてることでローンの返済に余裕ができるでしょう。
もちろん、ローンで借りた分は返さなくてはなりませんが、一般的なリボ払いに比べ金利は低く4%程度であり、最高でも12%となっています(資金使途により異なる場合もあります)。
5月時点の残高はリボ払い同様60万円ですが、月々の返済額は12,000円。また、元金据置期間中は返済額も679円からと低額ですので、治療期間中の生活費を圧迫することはありません。
治療期間中は医療費だけでなく、通院するための交通費、ちょっと寄り道をしたお茶代、通院の日は疲れたから夕飯はお惣菜などと、医療費以外の出費もあります。
また、日々の生活を送るための費用を削って、休日のリフレッシュをガマンしてという生活も、ストレスが溜まり、それが妊娠に影響しないとも限りません。
そして、体外受精にかかる医療費は高額で、その医療費の支払が難しいから諦めるというカップルも少なくありません。
私たちは、できる限り日々の生活を圧迫せず、また無理のない返済ができるローンで、おふたりが赤ちゃんを授かるためのサポートをさせていただきたいと考えています。