不妊治療を迷っているのなら、まずは一度、ご相談を!

公開日: 2017-06-25
愛育レディーズクリニック 西村 陽子院長、田近映子医師のお話
『i-wish ママになりたい 不妊治療のギモン』より
ここでの治療方針、治療の流れは?
私たちのクリニックでは特に型にはめた診療はしていません。年齢やからだの状態、ご希望など個々の患者さんに合わせて診療、治療方法を決めています。
最近は体外受精に特化したクリニックも増えていますが、ここでは患者さんの治療歴やご希望などを考慮し治療周期に合わせて患者さんと相談しながら、タイミング療法、人工授精、体外受精を選択するようにしています。もちろん、検査結果からすぐに体外受精の適応が考えられる場合もありますが、タイミング療法による治療や人工授精で結果が出ない場合にはまず体外受精の勉強会に参加してもらい、治療について理解していただいたうえで体外受精にすすむことを検討していただいています。
他院で3回体外受精をして妊娠せず、当院へいらっしゃってすぐにタイミング療法で妊娠された方もいらっしゃいます。また、年齢で治療をお断りすることはありませんが、年齢による妊娠率などを説明し、ご理解していただいた上でご希望があれば診療しています。
どのような患者さんが多いですか?
患者さんの大半はお近くにお住まいの方です。年齢は35~40歳前後の方が多く、第一子を当院で妊娠され、第二子をご希望で来院される方も多くいらっしゃいます。
連携している愛育病院を受診された際、不妊についてのご相談を受けた場合に、当院にて検査や治療をおすすめすることがあります。
カウンセリングに力を入れているそうですね
はい、初診でご希望があれば不妊カウンセラーがカウンセリングを行います。
所要時間は30分程度。ここで患者さんのご希望やこれまでの治療経緯などを伺います。また、今後の検査・治療スケジュールや年齢による妊娠率をお伝えし、患者さんの質問などにもお答えします。
初診カウンセリングをご希望されない場合には、初診から医師が診察し、問診や検査の説明なども行っております。ただ、カウンセリングのようにまとまった時間を取ることは難しいので、より詳しい検査の説明を聞きたいという場合や、相談したいことがある場合などは、不妊カウンセラーによるカウンセリングの利用をおすすめしています。
ご夫婦で病院に来られる方は多いのですか?
ご夫婦で診察に来られる方も結構いらっしゃいます。毎回二人で来られる方もいれば、初診カウンセリングのとき、人工授精の当日、また奥様の受診日にあわせて時々いらっしゃる方も。週末は仕事がお休みの方が多いので、土曜日は一緒に来られる方がとくに多いですね。
不妊治療はどうしても女性の負担が大きくなりがちなのですが、治療をすすめていくにはご主人の協力も不可欠です。また、クリニックで受けた説明をご主人に正確に伝えるのはなかなか難しいこと。クリニックに足を運んでどんな治療をしているのかをご夫婦二人で確認することは、不妊治療をすすめるうえでとても大切です。
女性の先生が多いということも大きな特長ですね
クリニックを受診される方は大半が女性です。女性医師だから色々と話しやすいという部分もあると感じます。同じ女性だから話せる悩みや、自宅でご主人とゆっくり話をする時間がないという方もいらっしゃるので、診察にみえた時にはなるべく患者さんの話を聞くように心がけています。
タイミング療法や人工授精で排卵日に合わせてと思っていても、ご主人との都合があわなかったりすると治療に対してストレスを感じてしまう方もいます。自分ひとりで治療が続けられるのかと悩んでしまう方も。そういう話をできるだけ聞くことで、少しでも患者さんの負担を減らせれば良いと思っています。
ほかにクリニックの特徴としてどんなことが挙げられますか?
卵管鏡下卵管形成術(FT)を実施しています。希望者がすごく多いというわけではありませんが、FTを希望して来院される方もいらっしゃいます。FTは保険が適応になるので、卵管の通りに問題があるけれどできるだけ自然妊娠を希望される方や、経済的な理由から体外受精へステップアップするのを悩んでいる方などの選択肢になりますからね。
また、近隣に出産までサポートできる連携施設の『愛育病院』があることですね。私も病院に行くことがあるのですが、クリニックで治療をした患者さんから「ありがとうございました」と声をかけられたりします。不妊治療施設と出産までを見届けられる施設が連携しているところはあまり無いので大きな特長といえるでしょう。クリニックと病院の間で常に情報交換ができる環境にあるので、患者さんも「経緯を把握してもらっている」という安心感を得られるのではないでしょうか。
患者さんにはどのようなことを伝えたいですか?
今はネット検索をすればとてもたくさんの情報が見られます。ですがそのすべてが正しいわけではなく、「見ればみるほどわからなくなった」という方もいらっしゃいます。
やはり、専門医の診療を受け、正確な情報を得ることが大切です。
それから、患者さんによく伝えることですが「からだに良いこと」をしていただきたいですね。
「しっかり睡眠をとる」「しっかり栄養をとる」ほか適度な運動や禁煙なども。
妊娠を目指すうえだけでなく、健康なからだづくりにもつながりますからね。
不妊治療を受けるべきか迷っている方へのアドバイスはありますか?
今、不妊治療を受けるかどうか迷っているのなら、まずはクリニックに足を運んでいただきたいですね。迷っている間にも時間は経過してしまいます。
当院にはカウンセラーもおりますので、診察の前に相談で訪れることも可能です。ぜひご利用下さい。
不妊カウンセラーから何か伝えたいことはありますか?
初診以外でもご希望があれば治療の途中でカウンセリングを受けていただく事ができます。
初診時のカウンセリングも重要ですが、どちらかと言えばメンタル面を継続的にサポートさせていただく事の方が、通院治療にとってより大切なものではないかと私たちは考えています。
先が見えない治療への不安は、治療歴の長さに関係なくどんな患者さんも経験されますし、治療が進むに連れて夫婦間に温度差が生じてしまうケースも少なくありません。
お子様連れの家族をみるのが辛い、友人の妊娠が喜べない、周囲からのプレッシャーを感じるなど、悩みは本当に様々です。
ご夫婦それぞれの気持ちに寄り添い、どんな小さな悩みでも遠慮なくご相談していただきたい、そんな想いで私たちカウンセラーは、日々、患者さんと接しています。
愛育レディーズクリニック 西村 陽子院長、田近映子医師のお話
2016年4月『i-wish ママになりたい 不妊治療のギモン』