不妊治療は、不安と期待が交錯しています。その治療の結果は、まさに陰と陽。 妊娠反応が陽性にならなかった、月経の出血が始まったなどで大きく気持ちが落ち込む人も珍しくありません。 治療中の不安や心配、悩みなど精神的ストレスもあるでしょう。 また、治療に行き詰まり、なかなか妊娠への糸口が見つけられない時、また妊娠したものの何らかの理由で流産してしまった時などには、 何も手につかないほどの落ち込んでしまうこともあります。
時間とともに、精神的に安定してくることもありますが、ストレスが続くことでなかには適応障害やうつになる人もいます。
辛いと思って日々を暮らすよりも、思い切って専門家に相談をすることが大切です。通院するクリニックのカウンセラーや心療内科などで相談をしてみましょう。

不妊治療を進めていく中で、「今日の検査って何のため？」「今、飲んでる薬って？」と心配に思うことがあるかもしれません。 心配なまま治療が進んでいくと、それが不安や不信へ、そしてストレスへ繋がっていくこともあります。 これを防ぐには主治医と、十分なコミュニケーションを取ることが大切です。治療に関することは医師から直接説明を受けること、それに対して理解して、 納得していることが治療を進めるが基本です。
しかし、実際に診察室へ入ると、様々な理由から質問することをためらってしまう人も少なくありません。 また、医療説明が不十分だと感じた場合や、診察後に、まだ理解ができていなかったり、心配に思うことは、看護師や受付スタッフなどに伝えましょう。
再度、医師から説明してくれることもあれば、看護師やコーディネーターが代わって説明してくれることもあるでしょう。とにかく不安や心配、疑問は持ち越さずに治療を進めることが重要です。
また、パートナーが一緒に通院できる日は、できるだけ一緒に行き、一緒に診察室に入りましょう。 そうすることで、誤解がない、心配や不安の少ない治療にすることができ、それがストレス軽減につながるでしょう。

妊娠や不妊に関する知識が不足していると、検査の必要性や治療の選択方法などがわからないまま進んでしまうことになります。 それが妊娠、出産に結びつけばよいのですが、結果が良くなければ、またそれが何度が続けば、ストレスが増大し、また医師などへの不信感につながることもあります。
わかっているつもりでも、妊娠や不妊に関することは奥が深く、「知らなかった！」ということがあるかもしれません。 最近では、勉強会や説明会を開いている治療施設も増え、またオンラインで開催している治療施設もあるため、わざわざ出かけなくても、 また遠方でも勉強会や説明会に参加することができます。
治療方針や治療に対する考え方、また内容については治療施設ごとに違いがあります。演者についても、医師だけでなく、胚培養士や看護師などが、 それぞれ専門分野の話をしてくれるところもありますので、複数の治療施設の勉強会や説明会に参加してみましょう。 その際には、ぜひ、ふたりで参加し、情報を共有することが大切です。

参考記事：勉強会や説明会に参加してみましょう。

不妊治療をストレスなく受けることは、難しいことかもしれません。治療後、すぐに妊娠、出産ができればストレスも少ないかもしれませんが、治療が長引けば長引くほどストレスも増えていきます。
ストレスは、妊娠しないこと、周囲からの「赤ちゃん、まだ？」というプレッシャー、友人や知人の妊娠や出産の報告、仕事との両立、パートナーとの関係など、さまざまあります。
どこに、どのようなストレスを感じているかは、個々によって違いはあります。また、ストレスへの対処法も個人差があり、正解の方法は人によって違います。
音楽を聴いたり、映画を観たり、運動をしたり、料理をしたり、散歩をしたりと、自分がストレス発散できる方法を見つけて、 一時でも妊娠や不妊から気持ちを解き放ち、何かに没頭する時間を作ることが大切です。
治療施設のなかには、妊娠しやすいからだづくりのためにとヨガやストレッチなどの講習会などを開催していたり、 同じ悩みを持つもの同士が集うサークル活動を催している治療施設もありますので、参加してみるといいでしょう。
また、過度なストレスから食欲不振になっていたり、過食になったりしている場合、何もする気が起こらず塞ぎ込んでしまっている場合、 そしてなかなか寝付けない、寝てもすぐ目が覚めてしまうなどの場合は、無理をせず心療内科へ頼ることも大切です。