不妊治療のQ&A
40代後半、病院で体外受精を勧められましたが、人工授精を希望しています。
40代後半の者です。40代前半で自然妊娠したことと、子どもはほしいですが、できれば自然妊娠でと思い、自己流のタイミング法を続けてきました。
やはり年齢的なことから、ゆっくりと不妊の原因を探している時間はもったいないという医師の判断で（ＡＭＨが0.16未満だったことと、夫の精液が少ないこと以外は問題はありませんでした）、体外受精を勧められました。
できるだけ自然での妊娠を希望しているため、人工授精をまずはやってみたい旨を医師に伝えてみましたが、トライするのは無駄だという回答でした。この見解も残っている時間のことを考えると妥当なのだろうと思っています。ただ今は、まずは人工授精を数回試みてから、自分の気持ちがどのように変わっていくかをみてみたいという気持ちが強いですし、それで授からなければ諦めようという気持ちでいます。
ただ、クリニックでは、時間的な余裕がないということ以外は、体外受精を絶対にしなければならないという理由は示されなかったのですが、やはり体外受精しかないという理由があれば、考えてみたいという気持ちがあります。
また、病院としては40代後半でも人工授精を実施してくださるものでしょうか？
もう妊娠できる残り時間は少ない中で、このような迷いがあります。アドバイスいただけると大変ありがたいです。どうぞよろしくお願いします。
人工授精での妊娠の可能性はゼロとは言えません。
40代後半になり、できれば自然での妊娠を希望されているのですね。
今までの検査の結果、子宮筋腫がある、ＡＭＨ低下、ご主人の精液が少ないということですが、精子の数や運動率には問題はなかったということでしょうか。
そして、受診した専門病院の医師の見解では、体外受精がよいのではということですね。
医師が体外受精を勧めた理由ですが、自然妊娠や人工授精より体外受精のほうが確実に受精卵を確認することができ、受精卵を子宮内に戻すことができるということ。また、残りの卵の数が少なくなっていること（ＡＭＨの数値より推測）もあり、確実な方法で受精卵をつくることを選択したほうがいい結果に繋がる可能性があるということだと思います。
自然な状態でタイミングをした場合ですが、精液量が少ないと腟内射精された精子が子宮内に入りにくい状態にあります。子宮内に入った精子は卵管内に入り、卵子のところまで進んでいかなければなりませんが、卵子に到達できる精子の数が少なくなり、受精しにくい状態になっている可能性があるのです。
毎月排卵しているようにみえても、実際には卵子が入っていない空胞のこともあり、卵子の染色体異常も年齢により確率が高くなってきます。
このようなことを考えると、自然な状態での妊娠は厳しい状態になっている可能性が高いかもしれません。
ですが、人工授精での妊娠の可能性はゼロとは言えません。あなたが希望されているように、トライしてみるのもいいでしょう。
40歳で体外受精をした場合の妊娠率は１回あたり25％以下、43歳以上では15％以下、45歳では数％あるか…という統計があります。人工授精やタイミングでの妊娠率はそれ以下ということになってしまいます。また、体外受精治療周期をお休みしている周期は、人工授精でトライするということもいいでしょう。
ご希望の人工授精を施行してくれる施設ですが、施設によっては受けていないところもあるかもしれません。しかし、まずは今の主治医にあなたの思い、考えを率直に話してみましょう。
体外受精での妊娠率は数％ですから、この確率に高額な費用をかけるのか、人工授精あるいは自然な夫婦の営みでという考えもあると思います。
