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採卵

体外受精や卵子凍結を目的に、卵巣から手術で卵子を採取すること。

子宮

子宮は、骨盤のほぼ真ん中に位置した筋肉でできた臓器で、上部は左右の卵管に、下部にある子宮口は腟につながる。 成人女性の子宮は鶏卵くらいの大きさ。
子宮の内部は月経周期によって増殖と剥離を繰り返す子宮内膜があり、そこに胚は着床する。着床後は、出産まで子宮内で胎児を育てる。

子宮外妊娠（異所性妊娠）

胚が子宮内膜以外の部位に着床して発育が進んでしまうこと。
１００～２００妊娠に１件の割合で起こる。このうち卵管に着床するケースが95％を占め、また卵管膨大部で起こることが多い。
子宮外妊娠では、妊娠は継続できず、卵管破裂を起こすなど重篤なことにつながるため適切な処置が必要。

子宮底

子宮は洋梨のような形をしており、上部を子宮底、下部を子宮頸部という。胚は多くのケースで子宮底に着床する。
体外受精で、胚移植を行うときには、子宮底から１～２cmのところに胚を移植する。

子宮内膜

子宮には内側に子宮内膜があり、月経周期のホルモンの影響を受け増殖と剥離を繰り返す。胚移植では、子宮内膜の厚さが７ミリ以上あるのがよいといわれている。

自然周期・低刺激周期法

排卵誘発方法のなかでも、早期排卵を抑制せず月経周期を崩さない方法。卵胞の成長は、エコー検査や血液検査で確認する。
▼ 低刺激周期法
誘発剤を服用、または注射剤を数回足して卵胞を育て、ＧｎＲＨアゴニスト点鼻スプレーやｈＣＧ注射などで排卵をコントロールする。

▼ 自然周期法
卵胞を育てるための薬は使わず、卵胞の成長を見守り、十分に育ったところで、ＧｎＲＨアゴニスト点鼻スプレーやｈＣＧ注射などで排卵をコントロールする。

受精

卵子と精子が出会い、１個の精子が卵子の細胞質内に入り結合すること。
自然妊娠の場合は、卵管膨大部で起こる。体外受精の通常媒精では、卵子に精子を振りかけることから起こり、顕微授精では卵子に１個の精子を注入することで起こる。
自然妊娠、通常媒精での受精は、精子が卵子の周囲に群がることから始まる。 多くの精子が、頭部にある先体から酵素を分泌し、卵子へ挑むことで透明帯がだんだんと薄く弱くなっていく。
群がる多くの精子のうちの１個が卵子へ入ると、透明帯の性状が変わり、ほかの精子は入れなくなる。 こうして１個の卵子と１個の精子が受精し、その後、卵子由来の前核と精子由来の前核が現れ、受精が完了する。

初期胚

８細胞期ごろまでの胚。順調に発育すると８細胞期は受精から３日目頃。

新鮮胚移植

体外受精において、排卵誘発、採卵手術を行った治療周期に胚を移植すること。

生化学的妊娠

妊娠反応があったのみで、その後の胎嚢確認ができず、臨床妊娠に至らなかった状態のこと。

精子

男性の生殖器官から分泌される精液中に含まれる生殖細胞。
精子は、ほとんど細胞質がなく、頭部、中片部、尾部で構成され、頭部に遺伝情報である核があり、透明帯を消化するために必要な酵素を含む先体という器官がある。
WHOの精液下限基準値では、濃度1500万／ml以上、総数3900万／射精以上、前進運動率32％以上、総運動率40％以上、正常精子形態率４％以上、白血球数100万／ml未満としている。

精子調整

射出した精液には、精子以外の白血球や細菌などが含まれるため、不妊治療では調整して生きた精子を抽出し、人工授精、体外受精を行う。
▼ 密度勾配遠心法
精子分離剤に精液を重層し、遠心分離機にかけることで比重の重い、生きた精子を沈殿させて回収する方法。

▼ スイムアップ法
精子の運動性を活かした方法で、培養液の中に精液または遠心分離した精子を入れ、泳ぎ上がってきた精子を回収する。

性腺刺激ホルモン（ゴナドトロピン）

女性の場合は、卵巣に作用して、卵胞の発育・排卵・黄体化を促進し、男性の場合は、精巣に作用して精子形成を促進するホルモンのこと。
視床下部から刺激を受けて下垂体より分泌される、卵胞刺激ホルモン（ＦＳＨ）と黄体化ホルモン（ＬＨ）がこれに当たる。

染色体

遺伝情報を持つＤＮＡは、細長い糸状の物質で、それが折り畳まれたまとまりが染色体。人の染色体は23対（46本）あり、それぞれ父由来、母由来の１本ずつがセットになっている。22対(44本)の常染色体と１対（２本）の性染色体で構成され、性染色体の組み合わせがXXであれば女性、XYであれば男性となる。

前核

受精によって見えるようになる卵子由来と精子由来の核。２つの前核は、やがて融合し１つになる。

桑実胚

胚は、細胞分裂を繰り返して成長し、16細胞以上になると細胞が緊密に接着（コンパクション）し、１つの塊のように見えるようになる。
これが桑の実のように見えることから桑実胚（桑実期）と呼ぶ。さらに発育すると胚盤胞になる。