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取材記事

あなたに合った治療プランは?まずは基本的な検査をして確認しましょう!

公開日: 2017-07-05

三軒茶屋ウィメンズクリニック 保坂 猛院長のお話 
『i-wish ママになりたい 不妊症と不育症』より

 

あなたに合った治療プランは? 

 当クリニックには、すぐに妊娠を希望されていらっしゃる方と、今すぐではないけれど将来的にお子様を持ちたいと考えていらっしゃる方が訪れます。

  どちらのケースも検査が大切な意味を持ちます。 

 後者の方は、基本的な検査をして、将来的に妊娠をご希望されたときに、不妊治療が必要になるのか、また、ご夫婦で頑張ってみられても良さそうなのか、年齢なども考慮して、その期間の目安などをお話しします。

  一方、すぐに妊娠を希望されている方が知りたいのは、自分にはどのような治療が必要なのか、つまり、これからの治療プランです。

  これにも、その方の年齢や状態、これまでの治療歴なども参考材料に、その方に合った治療プランを検査から立てていきます。

  しかし、最近はその方のご希望によって、治療プランを立てることもあります。たとえば、体外受精までの治療をしている施設では、転院されて来られる方や自分たちの状況から、体外受精を最初から希望されている方がいるからです。また、それとは逆になるべく体外受精はしたくないという方もいらっしゃいます。そのような時にも、どのような希望があるのか話し合いながら、プランを立てていきます。 

 基本、検査から探って何が妊娠するためのベストプランなのかを提示し、患者さんそれぞれに対応していくことが大事なことだと考えています。 

 

まずは患者さんの現状を知ることから始めます。

 基本的に予約制ですから、予約の患者さんを優先的に診ます。そして初診では、はじめに問診票にご記入いただき、今後行う検査について看護師から説明をします。これまでの治療歴についてもうかがいますので、患者さんごとに時間的な差は生じますが、おおよそ10分です。その後、可能な検査をいたします。

  診察では、問診票や看護師からの情報、検査結果を元に、問診(話し合い)から、どのような治療があるのかお伝えして、さらに今後必要となる検査日程や治療スケジュールをお伝えします。 

 最初は緊張している方が多く、いろいろなことを一気にお話しても混乱されるでしょうから、まずは分りやすくを心がけています。

  料金についてもご説明しますが、詳しくはホームページにも記載がありますので、みなさん、事前に参考にされている様です。

 

月経周期に合わせ行う検査

■項目に違いはあってもいつでもできます 

 検査はご夫婦それぞれにあります。

  男性は精液検査が主で、量や質・運動性や直進性、奇形率などを診ます。この結果によって治療方針が決まることもあります。

 
 女性の検査は、ホルモンの値と、エコーで卵巣や子宮の様子、卵管などを診ていきます。

  そのため、月経周期の○日目と○○日目というように、通院する必要がでてきます。 初診のときにできる検査は初診の時にしておきます。そのときを逃すと次周期まで待つことになるため、検査は、適時、早めにしておきます。

  最初は緊張もされるでしょうが、何回か通ううちにクリニックの雰囲気に慣れていただけるようにと心がけています。 ご夫婦で話し合われ、安心してお越しください。 

 ❶~❻の基本的な検査をするのに必要な来院回数は5~6回です。
 卵管造影検査、フーナーテスト、エコー検査はその場で結果がわかります。
 

 ホルモン検査、AMH検査、感染症検査の結果がわかるのは、だいたい1週間後です。

 ※他院で検査をしたことのある方の場合

  前回の検査からあまり間隔があいていなければ、その検査結果を参考にすることもあります。また、これまでの治療歴や薬への反応などがわかれば参考になりますから、説明できるよう、ノートにまとめておくなど、伝える準備をして来院されるのがよいでしょう。 

 どこに問題があって、どこが上手くいかなったか、それがわかると治療プランを立てるのに役立ちます。 

 

検査結果と治療スケジュール

■ストレスなく治療に臨むために 

 患者さんの多くは働いています。仕事との調整で通院予定を立てるのにも難しいこともあるでしょう。 

 そのため、仕事をしながらでもストレスなく治療を進められるよう、私たちも治療プランを立て、患者さんに寄り添える様に心がけています。

 

年齢によって治療プランは異なる

■妊娠と年齢の関わりは深いため、年齢を踏まえた治療が必要です

 受診される方のほぼ全員が年齢のことを気にされていると感じます。

  ですから、こちらも年齢を踏まえたうえで必要な治療については、率直にお伝えするようにしています。

  若い方でも前に治療歴があって、それでも妊娠していないのであれば、年齢だけをみて「まだ若いから大丈夫」とは言えません。その方の状態を踏まえた判断は必要です。

  具体的に今後、どういった治療をしていくかは、何よりもご本人の希望を尊重しますが、ご希望通りの治療では妊娠は難しいという場合は、そのこともきちんと伝えてご夫婦で相談していただくこともあります。

  ただ、患者さんによっては、体外受精はあまり受けたくないという方もいらっしゃいますから、その場合は、患者さんのご希望に沿ったなかで結果を出せるように努力しています。また、それが私たちの役目だと考えています。 

 

■年齢が高めの場合の排卵誘発方法は?

 刺激があまり強くない飲み薬を使った「低刺激法」が増えています。年齢を重ねると卵巣機能も衰え、強い刺激では思うように卵子は採れず、低刺激法で育つ卵子を採卵して良好胚を得る方が良いとされているからです。

  なかには、多くの卵子が採れそうな方もいますので、その場合は、相談のうえ注射で刺激をすることもあります。 

 

■新鮮胚移植と凍結胚移植

 胚(受精卵)は、分割期にある初期胚もしくは胚盤胞まで育った胚を、採卵周期に移植する新鮮胚移植と、胚を凍結保存して、次周期以降に移植する凍結融解胚移植があります。最近の当院の傾向では、どちらかといえば凍結胚のほうが妊娠率は高いのでお勧めしています。

 

妊娠をご希望している
患者さまへ 

 私たちスタッフ一同、ご夫婦の夢をかなえるために、精一杯ご協力をしております。 

 そして一人でも多くの患者さんが、治療を受けて良かったと思っていただけるよう全力でサポートいたします。

 

三軒茶屋ウィメンズクリニック 保坂 猛院長のお話
2016年1月発行『i-wish ママになりたい 不妊症と不育症』