2005年4月

特定不妊治療費助成事業、スタートから1年。2005年4月、当センター実施状況調査では!


特定不妊治療費助成事業不妊治療費助成事業実施状況
 厚生労働省が、『少子化対策の施策の一環』として子どもを希望しながらも恵まれない夫婦の不妊治療に対し、その費用の一部を助成するため、平成16年度、予算を25億4千万円計上し、国と各自治体(県、政令指定都市、中核市)がその支給額を半分ずつ折半する形での助成事業がスタートし、1年が経過しました。
 平成16年夏の調査では、実施もしくは実施予定が約82%、平成16年冬の調査では、実施もしくは実施予定は約90%でした。平成17年2月現在で、実施率は、91.6%に及んでいます。

全国の自治体へアンケートを実施
 この事業の利用状況から、不妊患者夫婦の金銭的負担の実態や今後の医療費負担の予想、もしくは保険適用へ向けての展望などがみえてきます。
 利用率がよいということは、利用しやすい良い事業である。または必要とする人が多いため、相互扶助の精神からも保険適用が適当と判断される材料の1つにもなるでしょう。
 当センターでは、2004年度末に特定不妊治療費助成事業の実施主体である県、政令指定都市、中核市へ、そして市町村独自の不妊治療費助成事業を実施している地方自治体へアンケートを行ないました。

● 大多数のところで追跡調査は行なっていません。理由は、『個人のプライバシーによるため』です。
反対に、追跡調査を行なっている理由としては、
・受給資格者の動向・ニーズの把握のため
・事業効果の評価のため
・治療実績の把握のため
などの回答が寄せられました。

●心配事や問題
・助成制度や相談センターの利用者数の伸び悩み
・助成に際して保険適用外の治療等に関し、審査基準の判断が難しい
・治療が終了した日が属する会計年度に申請することになっている。3月に治療が終了した場合、4月に申請されても受理できない。3月頃に治療が終了する場合、事前に相談するよう周知していきたい。

●申請者・相談者からのクレーム
・申請手続や提出書類が多く煩雑
・受給資格の所得要件について
・過去の治療歴が必要か
・助成額の上限(10万円)が低いこと。所得制限(650万円未満)を設けていること。

●不妊に対する理解は深まっていると考えますか
・深まっていない
・事業の開始の頃に比べると申請に見える方もオープンになってきました
・以前に比べれば、理解している人が増えているのではないか(複数回答)
・不妊専門相談センターの設置、助成金の創設等により徐々にではあるが理解は深まってきていると考えます

●申請者・相談者からの要望や希望
・助成額は10万円が限度となっているがもっとアップして欲しい
・不妊治療費を医療保険の対象として欲しい(複数回答)
・第2子以降の治療についても対象としてほしい
・指定医療機関を増やしてほしい
・国・県及び市の補助制度への要望として、回数を増やすよう希望される方、金額の増額を希望される方がとても多いです


予算と今後の問題は?
 平成16年度の予算は、特定不妊治療費助成事業として25億4千万円計上しました。これに対し、平成17年度予算は、『母子保健医療対策等総合支援事業』が創設され、この中の一事業として、36億円を計上しています。この『母子保健医療対策等総合支援事業』とは、母子保健強化推進特別事業、新生児聴覚検査事業、生涯を通じた女性の健康支援事業、周産期医療対策事業、療育指導事業、それとともに不妊治療に対する支援事業が盛り込まれています。
 昨年度の予算は、単独事業として予算が計上されたのに対し、今年度は総合支援事業の中に位置付けられています。
 実質、今年度の予算については大幅減と考えてもいいでしょう。

なぜ予算は減らされたのでしょうか
 アンケートの中で、『助成制度の利用者の伸び悩み』が心配事や問題にあげられています。この理由として考えられるのが、申請者からのクレームの中の回答にあり、『申請手続きや提出書類が多く煩わしい、申請書の記入項目の問題(プライバシーの侵害)』などです。
 このことから、当初想定していたよりも利用者が少なく、今年度も同じようであろうという見解の元に予算を減らしてきたのだと考えられます。利用率が悪ければ、来年度については、この事業の存続さえ危ぶまれる状況、そして不妊に対する理解は一向に改善されないとも言えます。ひとりでも多くの方が申請することで、事業はより利用しやすいように改善されていくのだと考えます。
 みなさん、申請をしましょう!

●連携状況
 最後に、助成制度と不妊専門相談センターとの連携状況について
A・良くできている
B ・まだまだ課題がある
C・相談者の満足度までは確認できない
でお答えいただきました。


・不妊専門相談センターでの相談状況の詳細はまだまだ調査を要するところですが、そもそも相談員のスタッフ選出、病院関係者を人選する場合の公共性、公表制度、治療施設の紹介などのしくみやルールづくりも、相談員の質の向上とともに必要性が増してくるものと考えられます。


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不妊治療情報センターではアンケート調査からの情報公開および各登録治療施設様のより詳しい案内を紹介す
ることで不妊治療の進展と治療を受ける人へのより安心できる情報伝達のお役にたてるものと考えています。


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