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不妊治療の保険診療について

2022年3月、不妊治療・体外受精の保険診療スタート直前の1カ月間に、不妊治療情報センターでは緊急アンケートを行いました。目的は、保険診療を前に体外受精を行う治療施設がどの様に思っているのか、また保険診療がどのように実施されていくのかについて知り、皆様にお伝えしたかったからです。お忙しい中、97施設からの回答が集まりました。

保険の仕組みと現状

菅政権の看板政策でもあった不妊治療の保険適用化が、2022年4月からスタートしました。とても上手くまとめられた内容で、今まで不妊療を躊躇っていたご夫婦にとっても、何倍もの勇気を得て治療に臨めることでしょう。
初めにその仕組みを見てみましょう。編集部では、3カ月が過ぎた頃に不妊治療実施施設にアンケートをとって、経過の様子も調べていますのでその結果(詳しくはこちらのページ参照)も合わせてご覧ください。

基本治療には保険が適用

不妊治療に関し、国の中央社会保険医療協議会で審議された結果、関係学会のガイドラインなどで有効性・安全性が確認された以下の治療について保険が適用されました。
また、生殖補助医療で実施されることのあるオプション治療について、先進医療として認められ保険と併用してできることになりました。

保険点数

保険診療の場合、医療行為の一つひとつに点数が決められています。例えば○○検査は何点、注射をしたら何点、お薬は何点と言うように。その点数から算出された診療費の3割が患者さんに請求され、7割が国に請求されます。

混合診療は認められない

保険診療の場合、同じ治療をしている中で保険として認められていない医療行為が生じる場合、混合診療が認められていないため、保険での診療は受けられず、治療周期の全てが自由診療となり全額負担となります。

保険診療の流れ

一般不妊治療の保険診療について

一般不妊治療の適応については、女性側に大きな不妊原因がないことがあげられます。また年齢が若く、避妊をしない性生活の期間が1年未満であることなどもあげられます。
年齢や回数制限はなく、保険診療で治療を受けることができます。そのため、保険診療のスタート以降、43歳以上のカップル、または保健診療の回数制限を上回ったカップルが一般不妊治療に切り替えるケースもあるようです。

実際の治療では、どのような診療が必要なのでしょう!

人工授精の保険診療の流れ

人工授精の保険診療のスケジュール

体外受精の保険診療について

体外受精は、手術によって卵巣から卵子を採り出し、体外で精子と受精させ、胚を培養して子宮に戻し、着床・妊娠を待つものです。通常媒精のc-IVFと顕微授精のICSIがあります。この治療も保険で受けることができます。保険適用を機に治療を考え始めた方もいらっしゃることでしょう。
ここでは、実際の医療機関に見る保険での費用と参考治療周期例、治療のスケジュールなどを紹介します。

対象

●子ども 1 人につき
 ▶ 40 歳未満 最大6回まで
 ▶ 40 歳以上 43 歳未満 3 回まで

先進医療は保険診療と併用できる

体外受精は治療が複雑になるケースがあります。保険診療で体外受精を受ける場合、混合診療が認められていないため、個々に合った特殊な治療方法の選択はより厳しくなります。そのため、いくつかの治療法が先進医療として認められており、学会認定専門医のもと、保険診療と併用して先進医療の治療が受けられます。

体外受精の医療費について

人工授精の保険診療の流れ

人工授精の保険診療の流れ

体外受精の保険診療のスケジュール